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05.トス ページ7

翌朝、Aが教室へ入り自席へ着くとすぐ日向が駆け寄ってきた。

「おはよう神崎さん!」

『あ、おはよう日向くん』

「昨日はごめん、変な事に巻き込んで」

『全然いいよ。あのあと大丈夫だった?』

「それがさあ、」

日向の口からは昨日〜今朝のことのみならず小さな巨人に憧れたことや中学時代のこと、バレーに対する熱意などが語られAは夢中で聞き入った。

昨日の自己紹介中も思ったが、やはり表情がキラキラしていて彼は相当バレーが好きなのだなと思う。

「あ!ごめん、一方的に色々と…」

『いいよ』

クールにそう言った後、Aは少し目線をうろうろとさせ「あの……」と遠慮がちに切り出す。

『日向くんさえよかったら、トス、上げようか?実は私バレー経験者で…』

「えぇ!本当か?!!すっげえ神崎さん!セッターだったの?!」

『…うん』

日向の声でクラスメイトたちから注目を浴びてしまい、Aの声が小さくなるが日向は続ける。


「ひょ〜〜!嬉しい!!昼休み時間ある?もしよかったらそん時上げてくれよ!!」

『わ、わかった』

「ありがとう!!すっげー助かる!」

日向があまりにも嬉しそうでAも目を細め口角を上げると、教室中が騒ついた。


((神崎さんかわい……))










急いで昼食をとって中庭に来たものの、思いっきりスパイクを打てるような環境ではなく、取り敢えずレシーブでパス練習をする。


「ごめんな!付き合わせて」

『いいよ。久々にすると楽しいし』


フォームが綺麗で、球が毎回安定した位置に返ってくる。
ただの経験者ではない。かなりの強者なんじゃないかと日向が考えていると、背後から「あれ?」という声がする。

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作者名:花雪 | 作成日時:2024年3月13日 22時

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