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29.こっち側 ページ31

「旭さんが戻ってくれば菅原さんも西谷さんも何か色々うまくいくのかな」

練習終わり、体育館の隅で日向と影山が水分補給しながら話していた。


「知らね」

「旭さんのこと、人一倍責任を感じる性格だって言ってたけど、菅原さんもそんな感じしねえ?」

「どっちも自分に責任感じてんだろ。一人で勝てる訳ないのにな」

「おっ…お前がソレ言う〜!?俺はお前の名言鮮明に覚えてるぞ!…''レシーブもトスもスパイクも全部俺一人でやれればいいのにって思ってます''」

「うるせえ!!」

影山が日向の胸ぐらを掴んでいると、Aが口元をおさえ吹き出していた。

『ン、フハハッ、ごめん面白くてつい…』

「神崎さんまで笑わないでくださいよ…!!」

「影山、Aのことさん付けして敬語使うから後輩感すげーよな!俺のことも敬えよ!」

「ぜっってえ嫌だ!!」

『ねえ、昼休みに菅原さんがしていた話、教えてもらっても大丈夫?気になってたけど兄貴にうざ絡みされて聞けてなくって…本人に聞くのもなんか申し訳ないし……』

Aは真面目な顔になり、声のボリュームを落とし言う。
日向と影山は一度顔を見合わせて、昼休みに聞いたことをそのまま話した。

『そっかあ…ありがとう。聞いてみたものの、私がどうこうできる問題じゃないしあまり出過ぎた真似をするのも申し訳ないから静観することになるんだろうけど……心配だし、ネットのこっち側で色々あると不安になるよね』

「お〜!俺も同じようなこと言おうとしてた!ネットのこっち側はもれなく味方のはずなのになあ」

「神崎さんとお前じゃ言葉の重みがちげえよ」

「なんだと!!」

『まあまあ。…マネージャーとして外から見ていても先輩方が元気ない様子なのは寂しいなって思うよ』

Aが視線を少し下に向け眉を八の字にして、日向と影山はまた顔を見合わせる。



そして翌日、再びふたりで東峰に会いに行き思っていることを素直に話した。

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作者名:花雪 | 作成日時:2024年3月13日 22時

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