26.兄妹 ページ28
「ああ、気にすんな。あの兄貴、すげー神崎ちゃんに似てんな」
『中身は全然違いますけどね』
くすっと笑っていると、背後から抱き締められる。
『なんだよ兄貴』
「バレー部入って、俺の可愛い妹に変な虫が付いたら嫌だからなァ」
『なに失礼なこと言ってんの。ウチに変な人なんかいないし!…菅原さんごめんなさい』
「ははっ、まあ神崎ちゃんなら変なのがいても寄せ付けなさそうだべな」
「そうそう、俺の妹はな、可愛いだけじゃなくて強いからな!よく分かってんじゃんお前」
Aの兄が得意げに話す様子を見て、菅原は青城との練習試合で及川と話していた時のAを思い出し微笑む。
「俺、神崎棗。Aのことは頼んだぜ、爽やかくん」
『爽やかくんじゃなくって、菅原さん』
「よろしくな菅原」
「よろしく、かんざ…棗」
棗が手を差し出してきたので、握手をする。
Aとは違って距離の詰め方がすごくてびっくりするが、笑顔がどことなく似ていて和む。
妹のことが大好きなのと少しチャラいってだけで、案外良いヤツなのかもしれない。
「A、そろそろ戻んないと5時間目始まるべ?」
『…!じゃあまた部活で!失礼します』
Aがくるりと背を向けて歩いて行ったあと、棗が「下の名前呼びでちょっと照れてたの、可愛いだろ?」とニヤニヤしながら言うものだから菅原は急に恥ずかしくなる。
「兄妹だから苗字だとややこしいだろ!それに、他の部員も下の名前で呼んでるヤツ結構いるし!」
「俺、菅原みたいな好青年にならAを嫁にやってもいいかもなあ〜〜」
「揶揄うなって!」
・・・・・・・・・・・・・・
*そんなに頻繁に出てくることはないと思いますが、兄貴の設定置いておきます
神崎 棗(かんざき なつめ)
烏野高校3年3組(東峰と同じクラス)
Aの兄
◎身長
179センチ
◎最近の悩み
Aが可愛いこと
◎容姿
色素薄めの茶髪(Aと同じ)で、センターパートのオシャレヘア。
瞳は青でAより深い色をしている。
◎その他
軽音部所属
作中でも描かれているとおりまあまあなシスコン
でもAのやりたいことは応援したいので、男バレのマネージャーになる際も反対はせず寧ろ「青春して来いよ」と背中を押してくれたらしい
(東峰も菅原も温和な性格をしているし、日向・影山も良い子そうだったので今日は色々と安心したらしい)
人見知りはせず初対面の相手とも普通に話せるフレンドリーな男子
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作者名:花雪 | 作成日時:2024年3月13日 22時