23.目力と勢いと ページ25
帰り際に及川から宣戦布告されたり、連絡先を教えてくれと言われたAが「嫌です」と即答したり、皆インターハイに向け改めて気合いが入ったり…色々あったが長い一日が終わった。
それから少し経ったある日。
Aが放課後体育館へ向かっている途中でちょうど潔子と会ったので一緒に体育館入りすると、見たことのない男子が凄い勢いで飛んできた。
「潔子さぁ〜〜ん!貴女に会いに来ました!!」
潔子にビンタされたにも関わらず嬉しそうな顔をするその男子は、後ろにいたAを見つけるなり「おおッ?!?!」と驚き飛び上がる。
「し、新マネージャーか?!!」
知らない人に超騒がれるという状況にAが無の表情で固まっていると、田中が飛んできて「どうだ、凄いだろ?!潔子さんに加えAが入ったことでより一層この部は華やかになったんだぞ!!」とドヤ顔で言う。
「Aっていうのかッ!!すげえ可愛いな!!というか綺麗だな!!…俺、2年の西谷夕ってんだ!西谷先輩ッ♡って呼んでくれよな!!」
どストレートな褒め言葉と目力と勢いに圧倒されていると、潔子が「Aちゃん着替え行こっか」とそっと手を引いて連れ出してくれた。
小声で「ありがとうございます」と言うと、優しく笑って「放っといて大丈夫だからね」と言ってくれる。
『(女神様……)』
「き、潔子さんと手繋ぎッ……これから毎日あんなのが見れんのかよ…!」
「そうなのです。楽園と化したのですよこの部は」
「Aってアレか?大人しい系か?!すげえ可愛いな!!」
「フッ、甘いぜノヤっさん。人見知り期も可愛いがな、慣れてきて笑ってくれたり話してくれたりするのも物凄くイイ。徐々に攻略できてる感あって、なんつーかよ、、興奮する」
ウオオオ!と西谷がハッスルしていると、菅原が2年ふたりの頭をバシッと叩き「変なこと言うなって」と嗜めた。
190人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:花雪 | 作成日時:2024年3月13日 22時