15.神と月 ページ17
「じゃあ………神?」
『えっ?』
((影山の奴まったく話聞いてねえ!!))
その場にいた全員が総ツッコミし、Aも困った表情で「話聞いてた?」と言う。
「なんかこう、尊敬してるんで…。苗字の一文字目も神だし」
『……まあいいや。そういうあだ名ってことにしておくよ』
((いいのかよ!!!))
「ウス。神様、これからよろしくお願…」
『神様はやめて?』
「いいじゃん。王様と神様」
月島が皮肉を込めてそう言うと、影山の表情が明らかに不機嫌になる。
Aも「王様って何?」とでも言いたげな顔をするが、やはり神様が嫌だったようで「そんなこと言うなら月島くんのことお月様って呼ぶから!」と言い返す。
「プッ、お月様…」
日向をはじめ他の部員も思わず吹き出す。
洗練された容姿とのギャップがすごい言い草で、月島の「なんだそれ」という表情も相まって滑稽だ。
「…君、結構言うね」
『神様より全然いいじゃん…。ちょっと可愛いし、''御''も''様''も付いてるんだよ、敬意てんこ盛りじゃん』
「意外と馬鹿?」
『……も、もう呼び方の話はいいから早くしよう!先輩方待たせちゃってるし!』
「誤魔化したね?」
『うるさいお月様!!試合頑張ってね!』
「応援はしてくれるんだ。それはどーも」
頬をほんのり赤くして悔しそうに話す姿が新鮮で、またも皆ハートの矢で刺されてしまう。
人懐っこい日向とは正反対だか、月島のあの性格だからこそ少しAの素を引き出せたのかもしれない。
「ずるいぞ月島!!神崎さん、俺も俺も!!」
『日向くんも頑張れ。影山くんと山口くんも』
「ありがとう…!!」←やっぱ神崎さんかわい!ツッキーナイス!の顔
「ウス」←せっかく尊敬する人と話せたのに月島に取られてプチイライラしてたけど応援してもらえて嬉しい顔
「なんか、いい雰囲気じゃん。1年」
「だな。神崎さんが良い仕事してくれてる。よし!そろそろ始めんぞ!!さっき言ったとおり月島と山口の方には俺が入るからな!」
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作者名:花雪 | 作成日時:2024年3月13日 22時