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13.土曜日 ページ15

翌朝Aが体育館へ入ると、先輩が数名と昨日知り合った月島と山口、そして出禁コンビも来ていた。


『おはようございます』

「おー!おはよう神崎ちゃん。今日もギャンカワだなァ!」

『…ありがとうございます』


恥ずかしそうにお礼を言う姿に田中は悶える。


「くッ!ギャンカワリアクション頂いた…!!」

「はいはい進路を塞がない」

田中を引っ張り戻しにきた縁下が「邪魔してごめんな、神崎さん」と眉を八の字にして言う。

『あ、いえ。大丈夫です』



潔子はまだ来ていない様子だったので、先に準備を進めることにした。
 

必要なものを籠に詰めたりスポドリ作りの用意をしたりしていると、背後から「おはよう」と声を掛けられ振り向く。


『澤村さんおはようございます』

「お〜、もう一人前だな」

『それはないですよ。上下関係厳しいバレー部に入ってたから少し慣れてるってだけです』

「ハハッ、強豪あるあるだな。土曜の朝早くからありがとうな」

『土曜練なんて久しぶりなので、ちょっとワクワクしてます』


クスッと笑う様子を見て、少しずつ緊張が解れてきているのが分かり澤村は微笑む。
高3にしては落ち着きがある為、兄を通り越し娘の成長を見守る父親のようだ。

「そろそろ清水も来ると思うから、よろしくな」

『はい!』












その後、マネージャー二人が準備を終え体育館へ戻るとちょうど部員たちが火花を散らしていた。


「あー、オホンッ、小さいのと田中さん、どっち先に潰…抑えましょうかあ?…そうそう、王様が負けるところも見たいですねえ」

「ちょ、ツッキー!聞こえてるじゃ…ヤバいよ」

「聞こえるように言ってんだろうが。冷静さを欠いてくれるとありがたいなあ」

「月島、良い性格の悪さしてるね」

「ねえねえ、今の聞いたあ!?あ〜んな事言っちゃって月島くんてばもうホォ〜〜ント!……擂り潰す!!」

月島と田中の言い合いを見てAが思わず「うわぁ…」と声を漏らしていると、日向が「神崎さん!」と元気よく駆け寄ってきた。

『日向くんおはよう』

「おはよ!本当にマネージャーやってんだなあ!」

『ふふっ、ちゃんと入部したからね』

柔らかい雰囲気で笑って話すAを見て皆「日向すげえ」と感心する。

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作者名:花雪 | 作成日時:2024年3月13日 22時

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