風光る【HQ】 (ページ14)

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12.自己紹介ページ14

「そういえば、月島や山口とはまだ話してなかったよな！ほら、自己紹介！」

澤村に背中を押され今度は１年生コンビがAの前に来た。

二人とも身長が高く、軽く圧倒される。

「１年４組、月島蛍。よろしくねベーシストさん」

月島が気だるげにそう言うと、Aは「え！もしかしてライブ見てた…？」と訊く。

「かなりの腕前だよね。飛び入り参加なのか知らないけど、そのまま軽音部に入ってしまえば良かったのに」

『…真ん中でギタボやってたのが兄貴なんだけど、すごいうるさくて面倒なんだよね…』

「ふーん。まァ、兄弟がうるさいのってちょっと分かるかも」

あまり接したことないタイプの男子だなあと心の中で思っていると、次は隣にいる緑がかった髪色の男子が口を開く。

「ツッキーと同じく１年４組の山口忠！よろしくね」

『よろしく。あ、私は１年１組の神崎Aです』

月島が一癖ありそうな感じがしたので隣にいる彼はどうなのだろうと不安になったが、思ったより普通の人っぽくてAはホッとした。

緊張はするが、同じ１年生なので仲良くしたいという気持ちはある。

１年生同士の自己紹介を見守る上級生たちは、新しい後輩ができたんだなということが実感でき和やかな気持ちになっていた。

その後はAが中学時代優秀な選手だったことを澤村や菅原が自分のことのように得意げに話し、月島・山口から「まるで親バカ」というツッコミを受け休憩時間は終了。

あっという間に部活終了時間となり、明日はついに新入生対決だ。