11.ばっちこい ページ13
「潔子さん!今日も美しいっス!!……?!か、かァ!!かわいッ……神崎ちゃん!!ポニーテール可愛いっス!!」
田中から興奮過多で褒められたものの人見知り継続中でどう反応すれば良いか分からないでいると、潔子が「Aちゃん、行こう」とそっと腕を引いてくれた。
「ガン無視いただきましたッ!!」
髪を下ろしている時は見えなかったが、Aの耳には左に二つ、右に一つピアスが付いている。
田中が「なんか、そういうのイイ!すっげェ萌える!!ギャップ萌え!!」と悶えていると「田中準備しろ」と縁下に小突かれた。
「ねえ、あの子って1組の子だよね?」
「ベーシストでしょ」
「そうそう!さすがツッキー!音楽通だから覚えてるんだね」
「うるさい山口」
「ごめんツッキー!」
噂どおり綺麗だな〜と頬を染める山口忠と、意外と進学クラスとかじゃないんだ…とボソッと呟く月島蛍。
明日の試合で日向・影山コンビと勝負する相手だ。
・
パス練、サーブ練などが終わって休憩に入り、マネージャー二人で手分けしてドリンクやタオルを配る。
『菅原先輩、お疲れさまです』
「お、神崎ちゃんありがとう!今日は髪結んでんだ。可愛いな!」
『ありがとうございます』
少し視線を下へやり恥ずかしそうに笑う仕草は、周りの部員たちの胸にハートの矢を放つ。
((か、かわっ……!!))
「ガン無視も興奮するけど!!その顔も!!良いッ…!!非常に良いッ…!!!」と田中が悶えていると、Aが申し訳なさそうに「さっきはごめんなさい」と言う。
『人見知り激しくて…。初対面の人とかあんま喋ったことない人の前だとどうしても無愛想になっちゃって……冷たい印象与えるの嫌だし仲良くさせてほしいから、これから頑張って慣れます…!!』
ぺこっと頭を下げ、急にこんなこと言っちゃったけど良かったのか?大丈夫か?とAは一人でオロオロする。
(※緊張も焦りも表には出ていない為、周りには美人が可愛いこと言ってくれてるなあという感じに映り皆キュンとしている)
「気にすることないべ!無愛想じゃないし!田中も見てのとおりそういうの気にする奴じゃないしな!」
菅原に背中をパン!と叩かれた田中が「そうそう!どんな神崎ちゃんでも美しいから何でもばっちこいだ!!」と謎のファイティングポーズを取る。
190人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:花雪 | 作成日時:2024年3月13日 22時