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48.ズルい ページ10

「へ?!」

『洗って置いておこうっと』

「なんか、Aって唐突に可愛いこと言うよなあ」

『えっ?』

「この天然人たらし!」

『ええっ?人見知りなのに?』

「そこも含めてたらしなの!」


切ないのであまり考えたくはないが、きっとAは自分のことを恋愛対象として見ていない。
それなのに先程から可愛い台詞のオンパレードすぎて、違うと分かっているのに期待しそうになるし心臓が跳ねまくっている。

人見知り期にはなかなか見せてくれなかった笑顔も惜しげもなくお披露目してくれる。
いつもはあのにぎやかな体育館で他の皆んなも一緒にハートを撃ち抜かれているが、今は自分だけがその笑顔を見ているんだと思うと口角が日向のジャンプ並みに勢いよく上がりそうになる。

神崎Aは、どうしてこんなにもズルいのか。

顔を赤く染めてそんなことを考えていると「菅原さんと話すの楽しいです」なんてまた心臓に刺激を与えるようなことを言ってくる。

ズルい。


『私の家、もうすぐなん…あれ?!兄ちゃん?』

「Aおかえり〜!って、あれー?!スガくんじゃーん!」

Aによく似たイケメンが駆け寄ってくる。
いつもの制服姿ではなく部屋着っぽいラフな格好をしているが、安定にイケメンだ。


「ちっす棗」

「ちっすちっす〜。もしかしてAのこと送ってくれたの?」

「前にさ、家近いかもって話したじゃん。今日もう暗いし危ないと思って」

「ありがとな!!よかったらこれからも送ってやってよ。俺の妹だからスゲー強いけど、やっぱ可愛いから心配なんだわ」

『ちょ、兄貴…』

「そのつもり」

『え?』

「Aが、嫌じゃなければだけど…」

『い、嫌じゃないです!嬉しいです』

「(かわい…)」

笑顔に見惚れていると棗が「ホントお前可愛いなあ〜!さっき一回''兄ちゃん''って呼んでくれたよなあ?!」と勢いよく抱き着き「離して!」と怒られている。


『菅原さん、ありがとうございました。明日も頑張りましょうね』

「おう、また明日な」


いつものようにぺこりと一礼しようとしたが、一瞬考えた後はにかみながら手を振ってきてまた心臓がぎゅんっと鷲掴みにされる。

もっとフランクに接して良いと話したから、早速行動に移してくれたのかもしれない。
そう考えると好きな気持ちがどんどん大きくなる気がして、悶えながら家まで歩いた。

49.くっつけ!→←47.アイス



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花雪(プロフ) - ぴかちゅうさん» わー!コメントありがとうございます😭🙏🏻スガさん、カッコよくて優しくてお茶目で素敵ですよねー✨これからも楽しんで書いていきます!^_^ (3月30日 0時) (レス) id: a8344563be (このIDを非表示/違反報告)
ぴかちゅう(プロフ) - 菅さん推しにはたまらないです🥹 更新とっても楽しみにしています! (3月29日 23時) (レス) id: b911419e01 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花雪 | 作成日時:2024年3月27日 17時

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