69.緊張 ページ31
「月島と山口は入学したての頃に演奏聴いたことあるんだよな？」
澤村に聞かれ、二人は首を縦に振る。
「神崎さんカッコよかったよね、ツッキー」
「まあ。かなりの腕前だと思いますよ。代打で演奏してたのにさらっと簡単にやってのけるから腹立つくらい」
「あの月島がAを褒めている！！言い方キツイけど！！」と日向が騒ぐと、月島は「うるさい」と面倒くさそうに言い放った。
「スガ、何ソワソワしてんだ」
「ソワソワじゃない、ワクワクしてんだよ」
そう言って歯を見せる菅原を見て、澤村はふっと笑う。
「お前も何も聞いてなかったんだな」
「あ〜、またベーシストの代打で出るっていうことまでは聞いたべ。見に来てって言われたら行くつもりだったけど、やっぱ恥ずかしがってんのかあんま話題に上がらなくて、俺からは何も言わずに大人しくしてた」
「そっか。神崎兄、ナイスだな」
「棗は後でAに怒られるんだろうけどな。今度何か奢っとこ」
各々駄弁っていたらセッティングが終わり、お目当てのバンドが出てきた。
学校にいる時と変わらない様子の棗、慣れているのか余裕そうな表情をしている他のメンバー。
凛とした表情のA。
Aをあまり知らない人からするとクールな美少女にしか見えないのだろうが、バレー部の面々はこれは緊張している時の顔だ、とすぐ分かった。
他のメンバーたちとお揃いの黒いバンドＴシャツに、黒いチュールスカート、黒いゴツめのブーツ。
巻いた髪をポニーテールにして黒いリボンで留めている。
全身黒で統一されているが持ち前の華やかなオーラを纏っていて、会場内にいる人間から注目が集まる。
A本人は目線を下の方へやり真剣にチューニングをしている為あまり気づいていない。
低音を響かせ、兄や他のメンバーとアイコンタクトをとったあと小さく深呼吸をして立ち位置で待機している。
思いのほか人が集まっていて正面を向く勇気がなくマイクスタンドの脚をジーっと見つめている様子に、バレー部は皆「コイツ大丈夫か？」と固唾を飲んだ。
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花雪(プロフ) - ぴかちゅうさん» わー！コメントありがとうございます😭🙏🏻スガさん、カッコよくて優しくてお茶目で素敵ですよねー✨これからも楽しんで書いていきます！^_^ (3月30日 0時) (
レス) id: a8344563be (このIDを非表示/違反報告)
ぴかちゅう(プロフ) - 菅さん推しにはたまらないです🥹 更新とっても楽しみにしています！ (3月29日 23時) (レス) id: b911419e01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花雪 | 作成日時：2024年3月27日 17時
