68.全員出動 ページ30
『私も寄付してもらうのがいいのかなとは思ってたんだけど、絵とかそういうセンスが壊滅的すぎて、ポスター作るって考えは頭になかったや…』
「てへっ」とでも言いだしそうな表情も綺麗で、仁花はまたハートを撃ち抜かれる。
『テスト前日の日曜日にバンドの本番があるから、その時に何か一言宣伝してみるとかは考えたんだけど、絶対それだけじゃ足りないよなって思ってたんだ』
「Aちゃんこそすごいよ！それ、名案だと思う！」
今度は仁花がキラキラした瞳を向け、Aは頬を少し赤く染めた。
「もしよかったら……それまでに頑張ってポスター完成させるから、その本番の時にもどこかに貼ってもらえないかな？」
『えっ、勿論だよ！私の言葉だけじゃきっとインパクト弱いから、ひとちゃんのポスターあるとすごい助かる…！今度一緒に武田先生にも相談しに行こっか！』
「うん！(インパクトありそうだけどなあ〜)」
その後、仁花はポスター作り、Aは今までどおり昼休みや週末の練習に励み、そのうちポスターが完成して街のあらゆるところに掲示された。
日向がスパイクを打っている姿を上手く１枚の絵にしていて、完成品を見たAが「ひとちゃんすごい！」を連呼しながらハグしてきたので仁花は顔を真っ赤にしたらしい。
そして期末テスト前日。
バレー部一同がぞろぞろと歩いてやってきたのはAがバンドのメンバーとして出演するというイベント会場だ。
高校生や大学生を中心に、軽音部や趣味でバンドを結成している人達が参加しているらしく、わりと賑わっている。
タイムテーブル兼出演者一覧表を見てみると、Aの兄────棗のバンドは結構人気が高いらしく、尺が長めにとられていた。
夕方出演ということで、みんなテスト勉強の合間にさくっと見に来られたので特に心配せずただただワクワクしている。
Aは見られると緊張するからという理由で敢えて誰にも詳細を話していなかったが、棗がAがいないタイミングでバレー部に顔を出し出演者一覧表を渡して「よかったら見に来いよな」と得意げな顔で言った為、全員出動という事態になった。
神崎兄妹の絡みを見たことがある者は心の中で「アイツ絶対あとでAに怒られるんだろうな」と想像した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 289人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
花雪(プロフ) - ぴかちゅうさん» わー！コメントありがとうございます😭🙏🏻スガさん、カッコよくて優しくてお茶目で素敵ですよねー✨これからも楽しんで書いていきます！^_^ (3月30日 0時) (
レス) id: a8344563be (このIDを非表示/違反報告)
ぴかちゅう(プロフ) - 菅さん推しにはたまらないです🥹 更新とっても楽しみにしています！ (3月29日 23時) (レス) id: b911419e01 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：花雪 | 作成日時：2024年3月27日 17時
