61.調整 ページ23
「ごめん!お待たせ!」
『あっ、お疲れ様です』
指先で前髪を整えながらにっこり笑う様も綺麗だ。
菅原はAが背負っている楽器ケースをみて「今日もまたゴツいの持ってんな〜!家まで俺持つべ!」と言う。
『全然平気ですよ!私、力持ちですし』
「こういう時も甘えとけばいいの!先輩にカッコつけさせて」
『ふふっ、菅原さんって甘えさせ上手ですよね。こっちが気遣わないような言い方してくれるの、大人だなあ、カッコいいなあって思います』
「直球でそんな褒められるとなんか照れるわ〜」
あははと二人で笑って、A愛用のベースを菅原が背負った。
『これで菅原さんもバンドマンですね』
「棗にバンド入れてもらおっかな」
『兄貴絶対喜びますよ』
「月島がベーシストって呼ぶくらいだからやっぱりAも演奏上手いんだろうなあ。なんかもう、色々と多才だよな」
『勉強できませんけどね』
そう言ってバツが悪そうに笑う姿は可愛げがある。
容姿端麗で大抵の事をそつなくこなせるAも、日向や影山のように赤点回避を目標にするほどではないが勉強は不得意のためテスト前はそれなりに焦る部類の人間だ。
「ホント意外だよな。まあでも二物どころか三物も四物も与えられてるから天もそれくらいの調整はするわな」
『菅原さんだって色んな良いところあるじゃないですか。調整されてくださいよ』
「フハハッ、調整されてください!」
菅原がケタケタ笑っていると、Aが脱力したように息を吐き「帰ったら勉強しなきゃだ』と嘆く。
「苦手科目、何なの?」
『英語です。あと数学も』
「俺でよければ教えるべ。なんたって先輩だからな」
『なんか今の、田中先輩みたいな言い方ですね』
「確かに!自分でも言ってて思った!そういえばAが田中と西谷のこと先輩付けで呼ぶのって、やっぱ二人が喜ぶから?」
『そうです!敢えての先輩付けです』
「俺のことも最初の頃は菅原先輩って呼んでくれてたよなあ」
『そっちのがいいですか?』
「んーん。ってかもうスガでいいよ」
『スガ…さん?』
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花雪(プロフ) - ぴかちゅうさん» わー!コメントありがとうございます😭🙏🏻スガさん、カッコよくて優しくてお茶目で素敵ですよねー✨これからも楽しんで書いていきます!^_^ (3月30日 0時) (レス) id: a8344563be (このIDを非表示/違反報告)
ぴかちゅう(プロフ) - 菅さん推しにはたまらないです🥹 更新とっても楽しみにしています! (3月29日 23時) (レス) id: b911419e01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花雪 | 作成日時:2024年3月27日 17時