56.うるさいです ページ18
練習が終わったあと制服に着替えて外に出ると、部室棟のところに菅原が立っているのが見えてAが「あっ」と声を出すと、にこやかに手を振ってきた。
慌てて駆け寄ると「走んなくていいべ!なんか待ち伏せしてるみたいでゴメンな」と言う。
「帰ろっか」
『あ、はい』
当たり前のように一緒に帰ろうと言ってくれて驚きながら返事した。
菅原はというと、Aがなんだかぎこちない様子なのが新鮮で、思わずじーっと見つめてしまう。
そのまま並んで歩いて校門を出た時に「Aはさ、」と切り出した。
「優しいから俺らのこと考えて色々悩んでくれてたのもあると思うけど、負けたことないからどう接したらいいか分かんなくなってたろ」
『…え?』
「Aがいた頃の清風館は無敗だったって記事、見たことあって」
『あ〜……すみません。私めっちゃ生意気ですよね』
「へ、なんで?そんなこと全く思ってないぞ?」
Aは視線をつま先の辺りへやり、口を開く。
『負けたことないのは本当だし、それで皆にどう声かけたらいいか分からなかったのも本当です。生意気でしょう?』
「俺らはそんなこと全く思ってないべ。Aがいてくれるだけで十分だ。今日3年が体育館入った時スゲー喜んでくれたのも嬉しかったし!」
菅原が白い歯を見せニイっと笑うと、Aは顔を赤くして「なんかそう言われると恥ずかしいじゃないですか!」と慌てる。
「なんか、今日のAは色々と分かりやすいなあ。いつもはあんま照れたり慌てたりしないから」
『すっ、菅原さんは、うるさいです!』
「お!言うなあ。なんか嬉し」
空を仰いで笑った後「今日も髪可愛いなー」と急に言ってくるものだからAは一瞬びっくりしたが、心に溜まっていた澱が全て出たようで満面の笑みを浮かべた。
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花雪(プロフ) - ぴかちゅうさん» わー!コメントありがとうございます😭🙏🏻スガさん、カッコよくて優しくてお茶目で素敵ですよねー✨これからも楽しんで書いていきます!^_^ (3月30日 0時) (レス) id: a8344563be (このIDを非表示/違反報告)
ぴかちゅう(プロフ) - 菅さん推しにはたまらないです🥹 更新とっても楽しみにしています! (3月29日 23時) (レス) id: b911419e01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花雪 | 作成日時:2024年3月27日 17時