53.三つ編み ページ15
『サキちゃん、あのさ…昨日負けちゃって、みんなにどう声かければいいか分かんなくて…』
「あ〜、惜しかったんだってねえ。……人一倍気を遣えるアンタなら、もういるだけで良さそうだけどね。何も言うなってことじゃなくてさ、皆ザキの性格とか分かってる人たちなんでしょ。辛い時ってアンタみたいなのが傍にいてくれるだけで十分心強いと思うよ。まー、アンタがいつも楽しそうに話してるの聞いてる限り、すぐ切り替えて次の目標に向けて頑張っていけそうな人たちなんだろうなって思うけどね」
Aは川崎の言葉を一つ一つ大事に聞いて頷き「ありがとサキちゃん」と笑った。
「アンタ…ほんっと可愛いな?!ちょっと佐野〜!ザキの髪の毛結ぼうぜ〜!」
※佐野:Aの後ろの席で、以前授業中に三つ編みポニテにしてきた女子。
「おー!今日はどうしますかいお嬢さん?」
ニヤニヤしながら佐野が近づいてきて川崎が「やらしい顔やめろ」とつっこむ。
Aはそのやりとりですっかり笑顔になり「三つ編みポニテでお願いします」と言った。
「前と一緒でいいの?」
『うん。あれした時、先輩が褒めてくれたから』
「なになに?誰?何年生?」
『3年生。家の方向同じだから部活終わり送るよって言ってくれてるんだけど、昨日は私が用事できて一緒に帰れなくてさ…。あんなタイミングだったからなんか勝手に気まずく感じちゃって…今日本当はオフなんだけど、もし体育館で会えたら三つ編みキッカケでまた話せたらいいなと思って』
嬉しそうに話すAをみて川崎と佐野は「お、男?ついに神崎Aサマに男の影?」「イケメン?イケメンなの?」と興奮気味にまくし立てる。
『ふははっ、そんなアレじゃないし先輩に失礼だよ。親切で送ってくれてるんだから』
「分からんぞ〜?下心、あるかもしれんぞ〜?お嬢さん、送り狼って言葉を…」
「佐野!ザキにそんな言葉使うな!!」
「失敬、失敬」
『菅原さんめっちゃ良い人だし話してて楽しいんだよね。入学したての頃1回この教室まで来たことあるんだけど…』
「あ〜!!あの爽やかな人?!それなら覚えてるわ!」
「あたしも!結構カッコよかったよね?ザキと並んでもお似合いだったし!」
『めっちゃ覚えてるじゃん。あの人がキッカケでマネージャーになったんだよね』
「なんかいいねえ、そういうの」
川崎と佐野が顔を見合わせ思ったことは一つ。
((このまま付き合っちまえばいいのに…!))
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花雪(プロフ) - ぴかちゅうさん» わー!コメントありがとうございます😭🙏🏻スガさん、カッコよくて優しくてお茶目で素敵ですよねー✨これからも楽しんで書いていきます!^_^ (3月30日 0時) (レス) id: a8344563be (このIDを非表示/違反報告)
ぴかちゅう(プロフ) - 菅さん推しにはたまらないです🥹 更新とっても楽しみにしています! (3月29日 23時) (レス) id: b911419e01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花雪 | 作成日時:2024年3月27日 17時