風光る 2nd【HQ】

52.ザキ ページ14

その後、烏野が2セット目をとって試合はファイナルセットへ突入。

デュースにもつれ込み得点は30点超えの激戦となったが、結果は青葉城西の勝利。

Aは静かに表情を曇らせたがすぐに「片付けとかミーティング行ってきます」と２階席を去った。
すぐに次の試合が始まるのでコートにいた部員たちも感傷に浸る暇なくその場を離れた。




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クールダウンやミーティングを終え、青城の準々決勝を見てから烏養のおごりで居酒屋おすわりへ。

朗らかな雰囲気のおばちゃんが開店前に盛りだくさんの食事を用意してくれて、殆どの部員が涙しながら食べるという光景が広がった。

一度でも負けてしまうとインターハイ出場の夢は断たれる。

翌日になればまたいつもの日常に戻り皆やるせない気持ちのまま学校生活を送る。


昨日はおすわりでご飯を食べたあと兄に呼び出されたためAは菅原と帰らなかった。

今日も、登校してくると日向が相当落ち込んでいるのが分かり声をかけたかったが何を言えばいいか分からず一言も話さないまま放課後になってしまった。

掃除当番を終えてため息をつきながら通学カバンに色々詰めていると、川崎が「どうしたザキ」と声をかけてきた。

入学してすぐの頃Aの前に自己紹介をしていた、あの川崎さんだ。

日向に対し人見知りせず話せるようになると周りも「神崎さんって結構話しやすいのでは？」という認識に変わり、それなりに友達が出来てクラスに溶け込めるようになった。

川崎さんとも、今ではザキ、サキちゃんと呼び合う仲だ。(あだ名の由来はカンザキとカワサキから)

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