51.口パク ページ13
『菅原さん…』
菅原がコート入りしたかと思えばいきなり仲間に物理的な喝を入れ、一気に空気が変わる。
Aが目を丸くしていると菅原本人がこちらの方を見てニッと笑ってきたので、み空色の瞳をキラキラさせて手を振る。
そんな様子を見た滝ノ上と嶋田が小声で「なになに?そういう関係?」「青春だなあ」と話し、相手コートでは及川がムスッとした顔になり、澤村と東峰は小さくニヤける。
空気が良くなったことに加え菅原の観察眼やアドバイスもあって烏野は徐々に追い上げるが、1セット目は落としてしまった。
2セット目もこのままのメンバーで始まり及川のサーブを1本で切ることに成功したが、取ったり取られたりの接戦が続く。
「(あと1プレーかな…)」
「スガ、次の一本俺に寄越せ。絶対決める」
「…ッ!……おう!!」
東峰が宣言どおりスパイクを決めるという男前な展開で会場が湧いた時、影山とチェンジとなった。
「ちょっと悔しいけど、俺のトスとお前のトス、打ってる時の日向の表情が違うんだ。分かってると思うけど…ウチの連中はちゃんとみんな強いからな」
「ウス」
「…勝つぞ」
「……うっす!」
ベンチへ戻ると潔子や武田が穏やかにねぎらってくれ、烏養からも「青城と互角に渡り合ったじゃねーか」と言ってもらえた。
「ウチの連中は強いですから」
「でもアレだな、次ん時はもっとセンター線積極的に使ってもいいかもな」
「……はい!!ありがとうございます!」
嬉しさで胸がジーンと熱くなりながら他の控えの選手のところへ戻り、何気なく2階席の方を見るとAと目が合った。
口パクで何か伝えてくるので口元をよく見てみると
「(お、つ、か、れ、さ、ま…)」
好きな相手からそう言ってもらえたのが単純に嬉しいのと口を大きめに開けて頑張って伝えようとする姿が可愛くて、笑ってしまった。そして菅原も口パクで「ありがとう」と返した。
2階席では、そんな様子を見ていた滝ノ上が「神崎ちゃんって、もしやあの副主将くんと付き合ってる?」と聞く。
『えっ?付き合ってないですよ?』
((付き合ってないのかよ…!!))
嶋田が控えめに「な、仲良いんだなあ〜」と言うと『よく話しかけてくれるし家の方向が同じで一緒に帰るし、仲良しだと思ってます』と嬉しそうに返す。
((青春かよ…!早くくっつけ!!副主将はほぼ確で君のこと好きだから早く意識しちゃえ!!副主将頑張れ!!))
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花雪(プロフ) - ぴかちゅうさん» わー!コメントありがとうございます😭🙏🏻スガさん、カッコよくて優しくてお茶目で素敵ですよねー✨これからも楽しんで書いていきます!^_^ (3月30日 0時) (レス) id: a8344563be (このIDを非表示/違反報告)
ぴかちゅう(プロフ) - 菅さん推しにはたまらないです🥹 更新とっても楽しみにしています! (3月29日 23時) (レス) id: b911419e01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花雪 | 作成日時:2024年3月27日 17時