40.初夏 ページ2
普段お世話になっている先輩たちを中心に皆んな期待の眼差しを向けてくる。
ニヤリと笑う月島をムスッとした顔で一瞥してから、小さく息を吸う。
『勝ちましょうね』
シンプルな言葉、三日月形になった目、キュッと上がった口角。
入部してから2か月弱経つが、整った容姿には勿論、人見知りが解消された後の後輩らしさ・親しみやすい可愛さには皆んな定期的にキュンとさせられる。
「「うああああ〜っ」」
盛り上がりが再燃してしまいAが困惑していると、主将・副主将コンビが傍に来た。
「これは勝つしかないな。神崎もありがとな」
「あの神崎Aからの''勝ちましょうね''は強いなあ」
『だからどの神崎ですか』
「この神崎!」
「お前らのソレは何なんだよ」
澤村につっこまれ、菅原とAは顔を見合わせて「なんか定番化しちゃったなあ」と笑う。
「潔子さんに続き大天使Aからも応援された俺らスゲー!!」
「なんかこう、みなぎってくるなあ!!」
「ぜってえ勝とうぜノヤっさん!!」
「おうよ!!」
『ツッキー!満足した?』
駆け寄ってきてドヤ顔をしてくるAに対し「だからツッキーって呼ばないで」と答える月島。
「でもツッキーも嬉しそうだったよね」
「うるさい山口」
「ごめんツッキー!」
『ふふっ、嬉しかったんだ?』
「うるさい」
『否定はしないんだ?』
身長差で自動的にAが上目遣いになり、加えてあまりにも楽しそうな顔で話してくるものだから月島は照れて顔を逸らす。
そんな様子を菅原がぼーっと見ていると「羨ましいか?」と澤村が耳元で言う。
「…なッ?!」
「スガってわかりやすいよなー。たまにこうして神崎のこと目で追ってるし、二人で話してる時すげー優しい顔してる」
「なにそれ恥ずかしッ!」
「Aちゃん中身まで可愛いし良い子だからモテそう。要注意だね」
「清水まで?!」
「兄貴に推薦しておこうか?」
「旭、それは絶対やめて?!」
菅原自身、Aに対して気があるとなんとなく自覚し始めた頃だったので、それが他の3年生達にとっくにバレていたというのが恥ずかしくて顔が熱くなる。
Aはというと、3年生達がそんな話をしているとはつゆ知らず、日向や影山と楽しそうに話している。
開いた窓から入った初夏の風が、色素の薄い茶髪を揺らした。
「(……可愛い)」
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花雪(プロフ) - ぴかちゅうさん» わー!コメントありがとうございます😭🙏🏻スガさん、カッコよくて優しくてお茶目で素敵ですよねー✨これからも楽しんで書いていきます!^_^ (3月30日 0時) (レス) id: a8344563be (このIDを非表示/違反報告)
ぴかちゅう(プロフ) - 菅さん推しにはたまらないです🥹 更新とっても楽しみにしています! (3月29日 23時) (レス) id: b911419e01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花雪 | 作成日時:2024年3月27日 17時