そばにいさせて 4【怪盗キッド】

今日のハイライト 4 ページ18

「19時42分56秒。予想通り展示室に着きましたね」




男は茶色い服を見にまとい、懐中時計を横目に立つ。


《その声……やっぱり白馬か！ｹﾞﾎｯ》




余裕綽々な表情で私を見る白馬くん。


私は顔をあまり見られないように帽子を深く被り直す。





(盲点だった……。白馬くん帰国してたのに)





普段海外に行っているので、あまり会わない。

その為、自動的に頭の中で白馬くんは除外されていたのだ。




すると白馬くんはポケットから小さいスイッチを取りだし、私に見せるように腕をつきだす。


「このスイッチを押せば、とあるシステムが作動する」





白馬くんはそのままスイッチを押した。


……が、何も動かない。





「何も起こりませんが……？」




周りを見渡すが、何も変化が起こったようには見えない。




《……A。トランプ銃で遠くの地面を撃て》




私は胸元からトランプ銃を取り出す。

白馬くんは私を見ながら笑みを崩さない。



そして少し遠くに銃を向け、撃った。





ﾊﾟｼｭｯ



ﾋﾞｰｰｰﾋﾞｰｰｰﾋﾞｰｰｰ!!!




「！？」




トランプ銃が地面に刺さった瞬間、けたたましい警告音が鳴り響き……。




ｶﾞｼｬﾝｯ!!



人一人分の鉄格子が上から落ちてきた。

なるほど……重量センサーか。




白馬くんは口角を上げて話す。



「君が1歩でも動くとセンサーが発動して鉄格子が降ってきますよ」



だから警備員を配置させず、中に入れさせたのかと納得する。


打開策を考えるために頭を回転させるが、なかなか見つからない。
冷や汗が頬をつたう。


私は悟られないようにポーカーフェイスで話をした。



「それだと、貴方も動けませんが」



「僕はスイッチ1つで鉄格子を落とさないよう位置調整ができるんでね」



《くそ……！A少しの間だけ耐えろ！ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ……俺がすぐいい案を出す！》




静かな時間が流れる。

捕まるのも時間の問題だ。


だが、私はひとつの言葉が頭に引っかかっていた……。




(……"位置調整")

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