うるさいお手紙うるさい朝 ページ5
朝からうるさいな。
地下にあるスリザリンの寮。
私は1人部屋を与えられている。
"ちょっとA！！！別れたのって本当なの！？
お相手は純血のおぼっちゃまだったじゃない！？
お父様もご納得の血族だったのよ！？"
そうでしょうね。
"まぁお相手が変わるのはいいけれど、ちゃんと今度も純血の方にするのよ！？分かったわね！？"
そう言い切った手紙は、もう声を発することなく床に落ちた。
その手紙を杖を一振りで塵にして、ベットの上で伸びをする。朝ごはん食べに行くか。
純血。
魔法使いの血だけのサラブレッドのこと。
私の家はこれに囚われすぎている。
純血以外を見下す"純血主義"だ。
どこを行っても頭を下げられる家柄で
昔から蝶よ花よと育てられた。
家には召使いがいて、
貴族としての振る舞いと、
外の世界がいかに汚いかのお勉強の時間で埋められた。
父親はなんの仕事をしているかあまり知らない。
母親は世間知らずで、容子ばかり飛び抜けて綺麗な人だ。頭は良くないだろう
昔どこかのパーティーで出会った
数日で枯れてしまうと言うマグル界の花の儚さを知ってから、ふとマグルに対して興味を持った。
数年前、うまく生きると言う術を知らない私の興味を
両親はめざとく感じ取ったのだろう。
純血以外との関係は全て断ち切られ、魔法学校の進学も反対されるまでになった。
『お母様。
私は立派な魔法使いになって、お父様のお役に立ちたいわ』
このセリフを微笑みながら言えるように、
私がずっと部屋で練習していたことは、鏡しか知らない。
女子校ではなく、最高峰の魔法学校へ。
そこで私は生きる術を学び
足枷を外す術を得て
自由に飛び回る青空を掴み
愛を知りたいのだ。
「Aさん、僕と付き合って欲しい」
『いいよ』
列車から降りる頃には
もう私が別れたことは生徒中に知れ渡っていて
次の日の食堂で新しい恋を始めた。
今回もスリザリンで、純血。
自分こそは長く続けてみせると周りに威張っている彼を見て申し訳なく思う。
親の喜ぶ相手と付き合って、お別れする。
こんなシナリオで、ごめんなさい。
「なーにしてんの」
食堂で朝食をとりながら、新しい彼氏になった人を遠目で憐んでいると
両肩と頭に感じる重みと、後ろから私の前で組まれる腕
『ふっか。おはよう』
「おはよ。
ふーん。あれが新しい彼氏、ねぇ」
『かっこいいでしょ？』
「俺の方がカッコいい」
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浅野(プロフ) - 続きを楽しみにしてます！頑張ってください (2023年3月15日 12時) (
レス) id: 7738234d33 (このIDを非表示/違反報告)
菫(プロフ) - 素敵な世界観で一気に読んでしまいました！続きを楽しみにしています。 (2021年7月1日 12時) (レス) id: 53672676a1 (このIDを非表示/違反報告)
maya(プロフ) - めっちゃ面白くて今まで読んで、評価しかしたことなかったんですが、初めて感想書かせて頂きました！お時間あればぜひ続きが読みたいです！ (2021年4月16日 4時) (レス) id: fb06234f32 (このIDを非表示/違反報告)
薫乃(プロフ) - めちゃくちゃ好みのお話です！！更新楽しみにしてます！ (2021年2月22日 20時) (レス) id: 58fa025e8e (このIDを非表示/違反報告)
りえ(プロフ) - Abbさん» ありがとうございますー！とてもとても嬉しいです！魔法の世界について私も詳しい訳ではないので間違いなどかればご指摘ください！ (2021年1月18日 1時) (レス) id: 9a3bbadc3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りえ | 作成日時：2020年12月22日 15時
