魔法にかけられて

吾輩は猫ですけど ページ17

「「「「「うおおぉぉすっげ！」」」」」
雄叫びの中心で俺はドヤ顔をかましていた。




猫の姿で。




深澤辰哉、この度アニメーガスを習得しました。

動物の身体能力もそのまま有効なのか気になるから
変身後は外行ってくるわ、と伝えていたので
目の前にいた照に前足を乗せ合図をしておく。



「おー、外行って梟に食われんなよー」
「知り合いにあっても変身解いちゃダメだよ！アニメーガスは魔法省に申請しないといけないんだから！」


あべちゃん先生の話もちゃんと聞いて

隠し部屋を出た1分後には、
この学校で1番見つかりたくない
愛しの女の子に見つかるハプニングを起こしました。







『か、かわいい〜〜っ！！！』

気がつけば捕獲されていた。
こいつ、廊下で魔法使いやがったな。

常習犯でイタズラ魔法を掛けまくっている俺が言うのはなんだが、廊下での魔法使用は禁止だぞ。



『誰かの飼い猫？…首輪ないな…でも毛並み綺麗ね』
Aの顔はいつもより近いし、いい匂いだ。

『しかも、いいシャンプーの匂い…！！』
お腹に顔埋めるな！これは猫じゃなくて俺なんだよ！
人間だったら確実に変な声出てるわ！



『ん〜、オス、かな？』



「ニ゛ャ゛ーーーーー！！！！(いやあああー！)」
『あーごめんね、持ち方痛かった？』

離せ！離せよ！
前足の付け根を持って抱っこされている今の状況、
俺はいま猫なんだけど！猫ですけど！
そりゃついてますよ下に！オスですからね！！！
持ち方の問題じゃねえんだよ！



最悪だ！

絶対俺だってバレませんように！




『ふふ、なんか、ふっかみたい。』



ぎゅっと抱きしめられながら、
よく聞こえる三角の耳に届いた言葉に
ピシリ、と身体が固まる



大丈夫だ、まだバレてない、と、思う。




『とにかく飼い主がいるのか探さなくちゃ。
もし見つからなかったら…
ねぇ、私の家に一緒に帰ってくれる？貴方がいるなら2ヶ月ぐらい耐えられそう』



俺を抱えて歩き出すAは辛そうで、

そうか、
確かにあと2ヶ月後ぐらいには冬休みに入るんだな。



風が少し冷たい気がするけれど、これは猫だからそう思うだけかもしれない。



『猫ちゃんあったかい…！！』



いや、俺を抱きしめるAもそう感じてるらしい。




ってかいい匂いするな。

そして、やわらけえな(何がとは言わない)

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