告白 ページ10
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嫌じゃなかった。勿論何が起こってるのか理解した、何故夜久さんがこんな事をして来たか分から無かったけど、拒むなんて選択肢が無かった。可笑しい。お互い好きだという気持ちが生まれて、其れを伝え合ってから愛を伝える為にする行為であって、こんな事をして良い関係では無い。私にとって夜久さんは憧れの人で、夜久さんも私は友達の妹、同じ部活の先輩後輩、唯其れだけの関係。其れだけの筈だったのに。
「 っ…嫌じゃ無かったって…どういう… 」
私の本心を伝えると其れに戸惑ってるのか理解が出来無いのか眉を下げて目が泳いで居る夜久さんを見てきゅっと心臓が掴まれる感覚がした。どういう意味かなんて其の儘の意味だ。其れ以上の意味を求められても答えられ無い。自分でもこんな簡単に誰かと深いキスが出来て仕舞うなんて思わなくて、自分の気持ちが分から無くて苦しい。
『 夜久さん…私…分から、無くて…… 』
「 ……A…ごめん、順番ぐちゃぐちゃ過ぎて申し訳無いけど…俺の気持ち聞いてくれ… 」
『 …夜久さんの…？』
抱き締められた儘顔を上げると夜久さんと目が合う。苦しそうな其の表情を見て私迄息が出来なくて苦しくなる。なんでそんな苦しそうなんですか、なんであんな事したんですか、なんで、そんな愛しそうに私を見るんですか。数々の疑問が頭の中で巡る所為で瞳に涙が溜まって仕舞う。
「 A、出会って１ヶ月ぐらいしか経ってねーし…お互い知らない事もいっぱい有る、けど…Aの事が好きだ… 」
『 っ…！』
夜久さんの真っ直ぐな告白に目眩がして少し後ろに下がるのを逃がさ無いと言うように後頭部にまた手が添えられて絡まった視線が離れる事は無かった。
「 ずっと全体の空気読んで気遣って…ちゃんと周りを見てくれてるのとか、優しさとかが心地良くて…、たまにから回って良く怪我しそうになってるのとか見てて危なっかしいとこも、俺がちゃんと見て守ってやりたいって思うし…Aも良く俺の事見てくれてるだろ…？」
『 っ…へ… ( き、気付かれてたの…？ ) 』
思わぬ夜久さんの発言に目が丸くなる。動揺して瞳が泳ぐと少し低めの声で名前を呼ばれ頬に手を添えられて仕舞いﾋﾟｸｯと肩が震える。
「 …笑った顔も困った顔も…全部可愛いなって思うんだよ…最初は妹みてーで、可愛い後輩が出来たと思ってただけだった。でも…俺以外に可愛いとこ全部見せないで欲しいって思った… 」
夜久さんの視線も手も全てが熱い____
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作者名：omo | 作成日時：2024年3月25日 12時
