願いと希望を込めて ページ4
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「 ポジションどこ！」
2人の会話にまた耳を傾けながら充電が終わった携帯の画面をタップする。数件の電話とメールに冷や汗をかきながら " 俺はミドルブロッカー！" という翔陽の言葉にいつか飛んでる処見てみたいなと思った。鉄兄に現在地情報をメールで送る。携帯をポケットに仕舞い、視線を2人に戻す。
「 じゃあさ！お前の学校強いっ？」
「 う-ん…どうだろ…昔強かったらしいけど…、一回衰えて……でも、最近は………強いと思うよ 」
研磨くんの言葉に目を見開く。まさかそんな返答をすると思わなかった。口角を上げて妖しい笑みを見せる研磨くんに鳥肌が立つ。翔陽が少し固まった儘言葉を紡ごうとして口を開いた瞬間聞き覚えのある声が聞こえた。
「 研磨ぁ！A！」
声の方を振り返ると鉄兄が立っていた。探して居たからか、思ったより近くだったからなのか、先程現在地を送ってから思ったより早く見付けてくれたので助かった。立ち上がり荷物を担ぎ、研磨くんと一緒に鉄兄の方へ駆け寄る。突っ立った儘の翔陽の方を振り返り研磨くんが手を振ったのを合図に私も手を振る。
「 またね、翔陽 」
『 …ばいば-い！』
研磨くんが何故か " またね " と言った事に私も恐らく翔陽も不思議に思ったであろう。また再会する何て此の時の私は思っても居なかったし、翔陽が研磨くんにとってとても重要で大切な友達になるとは、研磨くんも思って居なかっただろう。
「 珍しいな 」
鉄兄に説教されるかと思ったが、知ら無い人と話して居た事が何より気になったのか翔陽の話になった。
「 知り合いじゃねーだろ？あんな親しそうに話してる研磨見た事無かったから 」
『 確かに、人見知り解けるの早かったね？』
「 ……うん…なんでだろ 」
翔陽のあの不思議な雰囲気は何なのか。何処か光の中に熱い物が有って、其れがギラギラと照らし出されて居た。でも其の内に潜む物を翔陽は未だ自分で気付いて居ないのだろう。強そうとか上手そうとかそういう事じゃ無くて、恐いというか、変というか、言葉で言い表せ無い何かを私も感じて居た。
『 あ、そういえば何で またね って言ったの？』
私の質問に研磨くんは少し鼻で笑った。其れにむっとして頬を膨らませながら教えてくれ無い研磨くんに勢い良く突撃するとまた怒られてしまった。しかも避けれたと思って居た鉄兄からの説教も合宿所に着けば始まり、挙げ句の果てには心配してくれた夜久さんや、コーチ達からの説教も待って居た。
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作者名：omo | 作成日時：2024年3月25日 12時
