憧れと恋は紙一重【夜久衛輔】② (ページ19)

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再会の色はオレンジページ19

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いよいよ宿敵《烏》との戦いが始まろうとしていた____

烏野高校の皆さんと対面の時。研磨くんの隣で監督の案内を聞きながら目を見開き口を薄らぽかんと開けながら目の前に立っている蜜柑色の頭の男の子を見て吃驚していた。其の男の子も私同様口をあんぐりと開けて瞬きをする。其の視線に居心地が悪いのか研磨くんは少しそわそわして居る気がした。監督の案内も終わり、各々の荷物を体育館内へ運ぼうと皆が動き出そうとした瞬間 " ……あぁッ！！！ " と蜜柑頭の男の子が声を上げた。

「研磨！！A！！音駒だったのかよぉ？！」

『翔陽は烏野だったんだね！私もびっくりしたよ… 』

「なんで言わない！」

「 …聞かれてない、から… 」

『研磨くん…それはそうだけど分かってたなら教えてくれたらよかったのに… 』

研磨くんの態度に呆れながらも県外で知り合った子とまた再会するのはとても嬉しく心は踊って居た。其れに、翔陽は何処か不思議な子で、仲良くなりたいと純粋に思ってしまう。

「でもあの時、またねって言った！何か知ってたんだろ？！」

翔陽の言葉にそういえばと記憶を辿る。然し私があの後に聞いても理由は教えてくれなかった。私も研磨くんへ視線を移し、其の答えを待った。

「 …Tシャツに… " Karasuno high school " って書いてあったから… 」

流石だ。研磨くんがそんなにまじまじと翔陽を観察して居た記憶も無いのに、必要な情報だけを瞬時に読み取る能力。其れは研磨くんの強みで音駒にとって必要不可欠なもの。研磨くんの答えに不服そうな表情の翔陽を見て頬が緩んだ。

「 Aも気づいてたのかー？」

『ふふ、言ったでしょ？びっくりしたって、私は気づいてなかったし翔陽とまた会えると思って無かったから嬉しいよ！』

右手でピースの形を取り笑って見せると翔陽も同じ形を返してくれた。歯を見せながらﾆｶｯと笑う翔陽は太陽みたいで眩しくて少し目を細めて仕舞う。私も見習わなくてわと口角を両方の指で抑えながら無理やり上げる。

「アップ始めっから早く入れよー！」

辺りを見渡すと私たち以外の皆はもう中へ入ってしまったらしく、鉄兄の呼び掛けに慌てて近くのバッグを肩で担ぐ。研磨くんは私を置いて先に行ってしまった。少し寂しく思いながらも後を追い掛け様とすると翔陽が " 重そうだから持つぞ！ " と手を差し出し、助け様としてくれた。其の言葉に甘えて持って居た荷物を1つ渡すとまた歯を見せて笑ってくれた。

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