新しい出会い ページ2
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そして冒頭へ戻る。無事に必要な下着は買えて、問題無く目的地へ2人で向かう筈だったのだが申し訳無さで私が地図を読む発言をした所為で迷ってしまって居るのだ。
「 …仕方無いからクロに連絡して 」
『 うぅ……余計怒られちゃう… 』
「 早く 」
『 はいいぃぃ！』
こういう時の研磨くんは鉄兄寄りも怖い。結局お説教タイムは避けられ無いのかと心の中でしょぼくれながら鉄兄に電話を掛けようと連絡先から鉄兄を探す。が、急に端末の画面が真っ暗になってしまった。これは酷い。今日は星座占い12位なのかな、そんな事を思いながら研磨くんの方を見ると先程以上に不機嫌な表情にまた耳が垂れて仕舞う。
「 ちゃんと充電しないから……あ 」
呆れ気味に研磨くんが自分の携帯を取り出し私の代わりに連絡を取ろうとしてくれる。すると研磨くんの端末も明るくなったと思えば直ぐに真っ暗になってしまった。
『 人の事言えないじゃん 』
「 …うるさい…まぁ時間迄に合宿所戻れば良いでしょ 」
視界に入るフェンスの石段の上に研磨くんは腰を下ろし、鞄を漁り始めたかと思えばまた違う端末を取り出してゲームを仕出した。相変わらずマイペースだなと思いながら、研磨くんの正面の石段に座る。鞄からモバイルバッテリーを取り出し、充電されるのを待つ事にした。石段の上で体育座りをしながら腕に顔を埋める。朝早かった所為で少し眠たい。心地良い柔らかい風が髪を撫で、凄く穏やかな気持ちになって来た。少し強めの風が体をすり抜け、何かの気配を感じて顔を上げる。
「 何してんのー？」
其の視線の先には白いTシャツに綺麗な蜜柑の様な髪色の男の子。ここら辺の子だろうか、中学生？否、身長で判断するのは良く無いな。研磨くんが思わぬ声掛けに吃驚したのか振り返りながら小さめの声で返事をする。
「 え…あ、えっと…まい…ご 」
『 ( 人見知り発動中だ〜 ) 』
他人事の様に吃った様な喋り方をする研磨くんに懐かしさを覚えながら少し笑ってしまう。私と研磨くんの事を蜜柑頭の男の子は交互に見ながら首を傾げる。
「 んえ、他所から来たの？」
この子は余り人見知りをしないのだろうか。コミュ力が高そうで、口篭る感じも無い。多分リエーフと犬岡くんみたいなタイプだ。研磨くんが小さく頷く。会話を成り立たせる気0だ。そんな研磨くんの真横に屈み、そんな事はお構い無しに話し掛ける男の子。正反対な2人の性格に笑いが込み上げて来てしまう。
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作者名：omo | 作成日時：2024年3月25日 12時
