確認不足 ページ1
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『 あ、あれぇ〜？』
これは世に言う《 迷子 》という物だろうか。携帯を上下左右反転させてみたりと地図を確認するが今の場所と目的地が全然違う場所にあった。周りの看板や建物をしっかり確認して来たのに何故間違って仕舞うのだろうか。
「 ……A、迷ったでしょ 」
隣を歩く研磨くんが目を細め疑いの眼差しを向けて来る。そうだ迷ったのだ。私が地図を見ながら歩いて居たから私が99%悪いのだろう。然し、地図を読み取る事がとてつもなく下手くそな私に任せた研磨くんにも非があるのでは無いか。
「 任せてって言ったのAだからね 」
『 ぎく 』
「 …だから声に出てるって 」
私の思考は御見通しかの様に先に反論されては何も言い返せ無い。其れに2人だけで合宿所に向かってるのも私の所為でもあった。
2日目の朝、最初に泊まった合宿所とは別の処に泊まるべく徒歩で向かう予定だった。朝身支度を整えて居る最中にふと自分の荷物の中を確認すると、後1泊2日有るというのに下着が足り無い事に気付いた。何度も荷物の中身を確認したのに、必要な下着の枚数を数え間違えて居たのだ。大失態。しかも此れは監督やコーチ、他のチームメイトにもとても言い難い事態。鉄兄に言えば其れなりに上手い事言い訳して買いに行く時間は与えてくれるとは思うが、確実に説教が待って居る。其れは成る可く避けたい。
『 研磨くん…お願いが… 』
「 嫌だ 」
『 まだ何も言ってないのに！』
皆で合宿所に向かう途中で後ろの方に歩く研磨くんに助けを求め様と小声で話をする。とてつもなく嫌そうな研磨くんに私が事情を説明すると眉間に皺を寄せて余計に嫌だと言われてしまった。
『 お願いだよぉ…1人でコンビニ行くって言っても鉄兄とか…夜久さんとか…着いて来そうじゃん… 』
「 クロは説教されるから嫌なんでしょ 」
『 ぅ…… 』
図星を付かれて口篭る。夜久さんに関しては下着買いたいからコンビニに着いて来て等絶対に頼めない。恥ずかし過ぎる。眉を下げどうしようと唸って居ると研磨くんが溜息を小さく吐き、鉄兄に向かって声を掛ける。
「 クロ、ドリンクの材料足りなくなるかもしれないから買い足して来る 」
「 あー？確かに飲むペース早かったもんな、2人で大丈夫か？」
「 大丈夫、行くよA 」
『 えっ…あ、うん！』
如何にも納得しそうな嘘を並べれば、鉄兄も特に不審がる事も無く、研磨くんに腕を引かれて少し戻った先に有ったコンビニへ向かった。
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作者名：omo | 作成日時：2024年3月25日 12時
