憧れの人 ページ6
.
大きい桜の木の上の方の枝に「 にゃ〜… 」と鳴きながらくるまっている猫を見付けた。
『 降りれなくなっちゃったのかぁ… 』
こんな時鉄兄や研磨くんが居れば2人が肩車をして助けてくれるが今は居ない。少し悩んだ結果、結局私がどうにかして上げないとと鞄を木の傍に寝かせ、木に足を引っ掛けながら登り始めた。上まで到着すると猫に手を伸ばし『 おいで 』と優しい声で言う。すると私の手に擦り寄りゆっくり抱き上げてやる。少し気を引き締めて1歩ずつ降りようと下の枝に足を掛けるとｽﾞﾙｯと滑ってしまった。
『 ひゃっ……！』
やばいと思いながらも猫を落とさない様にぎゅっと抱き締めて蹲る。ふと「 危ない！」という声が聞こえて目を開けると誰かが此方に向かって走って来るのが見えた気がした。地面に着きそうになる前に衝撃に備えてぎゅっと目を瞑った。が、なかなか来ない衝撃に薄らと目を開けると男子生徒の制服が目に入った。
「 っ！………あっぶねぇ〜……… 」
顔を上げると同時に色んな情報が頭の中に一気に押し寄せて来た。
『 ( え……嘘……なんで…え… )』
私の目に写って居るのは私が初めて鉄兄の試合を見たあの日に知った人、私がバレーを好きになるきっかけになった人、私が尊敬し、応援したいと思った人、この学校に来る理由になった人、ずっと会いたいと、レシーブする姿を見たいと思った人、憧れの…………
⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆
「 お〜いあんまり引っ張んな… 」
『 戦ってた相手のチームの！レシーブの人！』
「 はぁ？」
『 あの人の名前教えて…！！！！』
⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆
『 ( 夜久衛輔くんが…なんで……ていうか…ちょっと待って…私……今…あの夜久衛輔くんに……抱っこされてる……！？ )』
目をかっぴらいてずっと彼を見詰めて居ると、私の抱き締めていた猫が鳴きながらぴょんっと飛び出して、それを合図に彼に起き上がらせられる。その瞬間、落ちてしまった羞恥心と憧れの人に会えた喜びと、そんな彼に姫抱きされてしまった照れとで頭の中がぐちゃぐちゃだった。
「 大丈夫だった？」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 119人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
omo(プロフ) - 天ヶ瀬さん» またコメントしてくださるなんて嬉しいです🥲💗 細かく書くのが好きでなかなか時間が進まなくてすみませんが気長に緩くお楽しみください😭💗 (3月23日 23時) (
レス) id: 7819485fc9 (このIDを非表示/違反報告)
天ヶ瀬(プロフ) - わ〜〜😭😭続きめちゃくちゃ気になりますいつも更新楽しみにしてます‼️‼️💖💖 (3月23日 23時) (レス) @page45 id: 2303c9977f (このIDを非表示/違反報告)
omo(プロフ) - 天ヶ瀬さん» ありがとうございます🥲こんな早くコメント頂けると思ってなかったのでとっても嬉しいです😂💗きゅんきゅん目指して頑張るのでこれからも宜しくお願いします😆✨ (3月6日 23時) (レス) id: 7819485fc9 (このIDを非表示/違反報告)
天ヶ瀬(プロフ) - もうすでに大好きです😭😭やくさん大好きなので嬉しいです更新ありがとうございます😭💗 (3月6日 21時) (レス) @page3 id: 2303c9977f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：omo | 作成日時：2024年3月6日 1時
