気になる過去 ページ24
.
「 お前に用有るって1年が来てるけど 」
黒尾の横まで来ると扉の方を指差しながら伝える。俺も扉の方を見るけど人影は無い。黒尾も目を細めて扉の方を見るが「 誰も居ねーけど 」と言うと其奴は黒尾の肩をｶﾞｼｯと掴みしっかり向き合う。
「 お前何であんな可愛い子と知り合いなんだよ、後で紹介しろ 」
其れだけ言うと其奴は他のグループの輪に溶け込んで行った。いや、誰が来たのか教えろよ。多分俺ら3人とも同じ事を思ったと思う。黒尾が " ちょっと行ってくるわ " と席を立ち扉の方に向かう。俺と海は止めていた箸をまた進めて会話をしようとすると思ったより早く黒尾が戻って来て海が何だったのかと問い掛けた。
「 あー…Aだった 」
想像して無かった主の名前が上がってきょとんとしてしまう。もう一度扉の方を見るとその姿はやっぱり無かった。何の用だったのだろうか。気になって聞いてみると呆れた様な表情で話し出す。
「 一緒に食べよって言うから教室戻れって言っただけ 」
黒尾の発言に吃驚する。態々兄の黒尾の処に来て昼飯を一緒に食べようとするのはどんなに仲の良い兄妹でもなかなか無いだろう。だから有る答えが自然と導き出されてしまう。
「 なに…Aって友達居ねーの？」
「 …中学の頃からあんま友達の話とか聞いたことねーし、音駒に来た知り合いも居なさそうだったしな 」
意外だった。女友達とか誰とでも仲良くなれそうな雰囲気だし、別に愛想が悪そうでも無い。どちらかといえば愛嬌が有り、誰にでも優しそうだから同性異性変わらず好かれると思ってた。
「 一緒に食べなくて本当に大丈夫？俺は別に良かったのに 」
海も驚いたのか少し心配そうだった。海の優しさに「 いーのいーの甘やかさない 」と厳しい兄の返答。入学してから数週間経ってるのにまだお昼を一緒に過ごす友達も居ないとなると俺も心配になった。俺と海の心配を読み取ったのか黒尾が少し笑って大丈夫だと言う。
「 どーせ研磨のとこ行って一緒に居るから、結局中学の時も研磨が卒業するまでずっと一緒に食ってたらしーからな 」
何となくこれ以上深掘りしてはいけない気がした。兄とはいえ黒尾がペラペラ喋るとも思わないし、聞くならちゃんと本人から聞くべきだと思った。でも俺は1つ引っ掛かる事が只只不安に感じた。Aはその後の1年間どうしていたのか、どんな学校生活を送っていたのか凄く気になった。屈託無く笑うAの顔がずっと頭の中を支配していた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 119人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
omo(プロフ) - 天ヶ瀬さん» またコメントしてくださるなんて嬉しいです🥲💗 細かく書くのが好きでなかなか時間が進まなくてすみませんが気長に緩くお楽しみください😭💗 (3月23日 23時) (
レス) id: 7819485fc9 (このIDを非表示/違反報告)
天ヶ瀬(プロフ) - わ〜〜😭😭続きめちゃくちゃ気になりますいつも更新楽しみにしてます‼️‼️💖💖 (3月23日 23時) (レス) @page45 id: 2303c9977f (このIDを非表示/違反報告)
omo(プロフ) - 天ヶ瀬さん» ありがとうございます🥲こんな早くコメント頂けると思ってなかったのでとっても嬉しいです😂💗きゅんきゅん目指して頑張るのでこれからも宜しくお願いします😆✨ (3月6日 23時) (レス) id: 7819485fc9 (このIDを非表示/違反報告)
天ヶ瀬(プロフ) - もうすでに大好きです😭😭やくさん大好きなので嬉しいです更新ありがとうございます😭💗 (3月6日 21時) (レス) @page3 id: 2303c9977f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：omo | 作成日時：2024年3月6日 1時
