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〜
「A！！！」
帰ろうと立ち上がった時、聞き覚えのある声がした。
瞬く間に傘を放り出して勢いよく抱きついてくるぬくもりに、また涙が出てきてしまった。
「体冷たくなってるじゃん…！いくら夏だからってこんな雨に濡れちゃったら風邪引く、よ……A？」
「…っうぅ〜〜〜ごめん酷いこと言って、ごめんねみんぎゅや……花火行けないの、みんぎゅのせいじゃないのに、思ってもいないこと言って八つ当たりしちゃった…」
涙でぐちゃぐちゃになった顔も気にせず、ぎゅううと抱きしめ返しながら謝った。
すると下を向いていた顔を両手で包まれ、泣きそうな顔で笑っている彼と目が合う。
瞬間、唇に温かいものが触れた。
「仲直り。…俺もついカッとなって、大声で言い返しちゃってごめんね」
「みんぎゅはなにもわるくないもん………ㅠ」
「あ〜また泣いちゃったㅋㅋ」
〜
「お風呂ありがとう〜、わ！なんかいい匂いする」
リビングへ行くと、いつもご飯を食べるローテーブルの上いっぱいに美味しそうなご飯が並べられていた。しかも好きなお酒まである…！
焼きそばにたこ焼き、きゅうりの一本漬けにフランクフルト、イカ焼き、焼き鳥。これはまるで…
「お祭りの屋台だ…！！」
すっかりテンションが上がった私は、ミンギュに抱きついて褒めちぎった。
"えへへ"と嬉しそうに恥ずかしそうに笑うミンギュは、やっぱり世界でいちばん愛おしい。
「他になんか手伝えることあるかな？あと、私が今日お皿洗いするからね」
「ふふありがと。でも俺すぐAといちゃいちゃしたいから、お皿洗いは早く終わらせるために2人でやろうね〜」
「っ、！」
抱きついた体制のまま耳をはむ、と食べられ音を立てて離れていった。真っ赤になる私とは対照的に、涼しい顔で食卓についた彼。
なんだか悔しくて、いつもは自分からしない深いキスをお見舞いしてやった。
fin.
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作者名：みな | 作成日時：2023年8月2日 6時
