28. 莉犬side ページ29
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キーンコーンカーンコーン…
こ 「なあなあ、昨日のものまね番組見たか?」
り 「昨日はテレビ見てないー」
昨日の夜は、先輩のことで頭がいっぱいで
何もする気力が湧かなかったのだ。
こ 「えーめっずらしいー、昨日の超面白かったのになー」
り 「へーどんな」
こ 「えっとな、まずな、」
ころんが席を立ち、
昨日のものまねの様子を伝えようとした時、
クラスの全員がザワっとこちらの方を見た。
こ 「え、俺??」
クラスの皆は首を横に振り、ころんの後ろを指さした。
り 「え……君、特進の…」
る 「はじめまして、莉犬さん。
今お時間よろしいですか?」
そこには、にこりと笑う
特進クラスで首席のるぅとくんが居た。
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る 「…すみません、こんな所まで来てもらって」
り 「いや…別に……」
俺はるぅとくんに言われるがまま、
秘密の庭から帰る時に、
さとみ先輩と別れる校舎の入口の所へ来た。
授業がそろそろ始まるためか、生徒は誰も居ない。
る 「遠回しのことは言いません。」
るぅとくんはポケットからある写真を取り出した。
り 「え、…俺と先輩?」
そこには、ここと全く同じ場所で
先輩と笑い合う俺の姿があった。
る 「これは私が入手しました。
あなたには、
今すぐ兄さんの前から消えていただきたい。」
り 「えっ」
いきなりの出来事で頭が追いつかない。
るぅとくんとさとみ先輩は兄弟だったのか。
それに、俺に消えろって…
る 「あなたは、兄さんとあなたが
どんなに不釣り合いか分かってますか?
兄さんはSTPRグループの御曹司。
これからの日本をも背負って行く人なのです。
仮にもあなたみたいな凡人が隣に居ていい人ではない。
身の程をわきまえていただきたい。」
容赦の無い言葉たちに、俺は言葉出ない。
る 「そこで、兄さんの前から消えていただくために、
スト校からの転校をお願いしたいのです。
しかし、
あなたは両親を無くされていて暮らしも苦しいでしょう。
そんな余裕が無いというなら、
喜んでお金はこちらから工面いたします。」
俺は頭に血が登りそうになると同時に、
心が冷めきって行くのを感じた。
り 「お金とかいりません。転校もしません。」
る 「…でしたら?」
り 「…今後一切、先輩とは関わりません。」
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すみれ - るきあさん…なんて最高な物語を作ったんですか…もうすごすぎて泣いちゃいましたよぉ(泣) (2022年12月3日 16時) (レス) @page44 id: 69b8b4c83b (このIDを非表示/違反報告)
快斗 - 神様がいる!!! (2021年8月5日 14時) (レス) id: 887095f102 (このIDを非表示/違反報告)
快斗 - 神様がいる!!! (2021年8月5日 14時) (レス) id: 887095f102 (このIDを非表示/違反報告)
るきあ(プロフ) - 朱音さん» 茜さん!というか朱音さん!コメントありがとうございます(´∀`) ほんとにそんなお褒めいただけて、嬉しすぎます(/ω\)/// 頑張れます!//// (2021年6月12日 22時) (レス) id: e863d72ae7 (このIDを非表示/違反報告)
朱音 - この小説の為に、『神』という言葉は生まれたのか…なるほど… (2021年5月4日 22時) (レス) id: 8c7310438b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るきあ | 作成日時:2021年1月27日 13時