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もう半袖の時期になり、桜はとうの昔に散っていた。
今日の空は気持ちいいくらいに青い
そんな日に、俺らはまた秘密の庭に来ていた。
日陰になる木の下で、
俺は小説を、莉犬は漫画を読んでいた。
り 「見て先輩!ついにボスが動いた!」
莉犬は、聞いてもいないのに
漫画のストーリーを俺に随時教えてくれる。
俺はそれを笑って聞く。
さ 「ふ、」
その間お互いずっと、肩が触れている。
それはもう、
秘密い庭にいる時にはずっとだ。
夏がこれから来るというのに、
俺らは広い庭で、
くっついているなんて変と思うだろうか。
り 「…あ!」
急に莉犬が空を見上げた。
俺も見上げると、水滴が頬をつたった。
雨だ。
…と思った途端
ザーーーーーーーーー
大雨になった。
さ 「うわ、屋根の方へ行こう。莉犬こっちに来い」
俺は咄嗟に、自分の上着を傘がわりにして
莉犬の腕をひいた。
り 「わっ」
小さい莉犬の身体は、俺の中にポスンと入った
さ 「あそこの屋根のあるとこに真っ直ぐ走るぞ」
り 「っはい」
ザーーーーーーーーー
2人で庭を走る
狭い上着の中で、お互いの体温が感じられる。
俺の心臓、
聞かれていないだろうか…
ドキン、ドキン……
心臓が鳴り止まぬうちに、屋根の所へ着いた。
さ 「急に土砂降りだったな…濡れてないか?」
俺は、平常心を装って
上着の中にいる莉犬を屈んで見た。
り 「///え…… 大丈夫…です……」
そこには、
顔を赤らめている莉犬が居た。
え…………
ドキンと胸が鳴った。
莉犬の髪は少し濡れていて、
そこから頬に雨の雫がポツリと落ちた。
バサッ……
俺は上着から手を離し、
その雫を優しく親指で拭った。
拭ったその頬は、
熱を帯びていて莉犬の温かい熱が伝わってくる。
ドキン…ドキン……
莉犬は俺をずっと見つめていて、
その瞳はビー玉にように綺麗に澄んでいる。
俺はそのまま手を莉犬の口元まで滑らせた。
り 「…先輩どうし、んっ」
俺は、莉犬の言葉を遮るように
優しく口を塞いだ。
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すみれ - るきあさん…なんて最高な物語を作ったんですか…もうすごすぎて泣いちゃいましたよぉ(泣) (2022年12月3日 16時) (レス) @page44 id: 69b8b4c83b (このIDを非表示/違反報告)
快斗 - 神様がいる!!! (2021年8月5日 14時) (レス) id: 887095f102 (このIDを非表示/違反報告)
快斗 - 神様がいる!!! (2021年8月5日 14時) (レス) id: 887095f102 (このIDを非表示/違反報告)
るきあ(プロフ) - 朱音さん» 茜さん!というか朱音さん!コメントありがとうございます(´∀`) ほんとにそんなお褒めいただけて、嬉しすぎます(/ω\)/// 頑張れます!//// (2021年6月12日 22時) (レス) id: e863d72ae7 (このIDを非表示/違反報告)
朱音 - この小説の為に、『神』という言葉は生まれたのか…なるほど… (2021年5月4日 22時) (レス) id: 8c7310438b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るきあ | 作成日時:2021年1月27日 13時