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り 「え……」
さ 「あ……」
俺らの間にするりと風が吹いた
さ 「あ、いやっ、」
俺はいったい何を言ってるんだ
り 「……嬉しいです!
俺ら友達になれたってことですもんね!」
さ 「え…」
友達…?
り 「ね?そうでしょう?」
さ 「そ、そうだ」
満足そうに笑いかけてくる莉犬に、
俺は返事を返す事しか出来なかった。
友達……
この感情は
そんな言葉で片付くものなのだろうか
キーンコーンカーンコーン…
り 「あ、予鈴鳴りましたよ!教室戻りましょ!」
さ 「ああ……」
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スト高は、
体育館から真っ直ぐ進むと
左は特進クラス、右は普通クラスの校舎で
分かれて行けるようになっている
人目が付きにくいここで、いつも莉犬と別れる
り 「じゃあ、先輩、ここで!」
バイバーイと手を振りながら、
莉犬は校舎の方へ消えて行った。
さ 「……」
なんだか頭がスッキリしない
こういう時は勉強だ。
早く教室へ行こう。
な 「ふ〜ん、さとみが普通クラスの子とね〜」
さ 「っなっ!!」
そこには壁に寄りかかって、
こちらを見ているななもりがいた
な 「可愛いじゃん、しかもあれ1年生?見ない顔だ」
さ 「………」
な 「はいはい、お得意のだんまりね!
別にいいよーだ。顔覚えたもんね〜〜」
さ 「顔覚えてどうする」
な 「ん?それだけだよ。
気になってたんだ。
あの冷酷なさとみを少しでも変えた人間を」
変えた?
さ 「なんだよ、それ」
な 「今のさとみ、今までで1番 「普通の人」に見えるよ」
さ 「「普通」………」
な 「……うん、彼と会う時はそうなんじゃない?」
なんだそれ
今日は意味の分からない事が多すぎる
な 「これからも心無しのおぼっちゃまのままかなって
心配することが多かったけど、
……少しは安心できそうかな?」
さ 「お前……何様だよ」
な 「ははっ、確かにそうだ」
ななもりはそう言うと、
校舎の方へ歩き出した
な 「ほら、授業始まるよ」
さ 「……知ってる」
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すみれ - るきあさん…なんて最高な物語を作ったんですか…もうすごすぎて泣いちゃいましたよぉ(泣) (2022年12月3日 16時) (レス) @page44 id: 69b8b4c83b (このIDを非表示/違反報告)
快斗 - 神様がいる!!! (2021年8月5日 14時) (レス) id: 887095f102 (このIDを非表示/違反報告)
快斗 - 神様がいる!!! (2021年8月5日 14時) (レス) id: 887095f102 (このIDを非表示/違反報告)
るきあ(プロフ) - 朱音さん» 茜さん!というか朱音さん!コメントありがとうございます(´∀`) ほんとにそんなお褒めいただけて、嬉しすぎます(/ω\)/// 頑張れます!//// (2021年6月12日 22時) (レス) id: e863d72ae7 (このIDを非表示/違反報告)
朱音 - この小説の為に、『神』という言葉は生まれたのか…なるほど… (2021年5月4日 22時) (レス) id: 8c7310438b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るきあ | 作成日時:2021年1月27日 13時