さだめ少女のおはなし【AtR】 (ページ5)

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＊you（11）ページ5

それは、真冬に告白される前日のこと_______________

転校すると決まって、学校には既に伝えて…
あとは、明後日クラスメイトに伝えるだけだった。

_気が重いなぁ
そう感じてしまう。
なんだかんだでクラスメイトとは仲良くやっていたし、6年一緒の友達と別れるのは寂しい。どうせなら今の学校を卒業してから引っ越したかった。

それよりも、真冬のことが頭に残る。

嬉しいことに5年生、6年生と2年連続で同じクラスになれて、しかも委員長副委員長ポジションも変わらなかった。

二学期から突然いなくなること自体、私の責任感が許せないが、親の仕事の影響だ。仕方ない。

本当は転校することをベラベラ話すんじゃないって言われてるけど
…真冬なら、1日早く知らせるくらいいいかなって。

そんなことをぽけーっと考えながら、宿題を終えた私はテレビを見ていた。

流れていたのは怪奇現象の特集。
最も印象的だったのは「さだめの子」のおはなしだった。

なんと、好きな人の10年後までを夢の中で予知できるらしい！
ただし、予知すれば予知するほど、体に負担がかかり体調を崩しやすくなる。

「さだめの子」の証は、首筋に現れる赤い紋章。
歯車のような形をしていた。

_へぇ、そんなのがあるんだー

_でも、たかがテレビでしょ？作り話って可能性も十分有り得るよね？？

生憎私は霊感だとかオカルトっぽいやつとか、無縁なのである、本当に。

「Aー、ごはん出来たから運ぶの手伝ってー」

お母さんに呼ばれて、はーいと返事をしながらキッチンに向かう。

『さだめの子なんて、いるわけないじゃない』