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「なに、その急なシリアスモードは、(笑)」



「急じゃないよ、楽屋にいる時のちゃかちゃんずっと考え事してるみたいだったし」




そんな見せてるつもりはなかったんだけど…


直感派のしめと元太はたまにこえーなって思う。





「そうかな、お互い様じゃねーの?(笑)」



きっと今、俺が笑ったとしてもしめには誤魔化せないだろうな、そんなことを思いながら、


ヘラッと笑ってみせたけど…


…ほら、なんとも言えない顔してる。



「だって…それは、しめも同じでしょ?」



「…お互い様かぁ」



体育座りみたいに丸くなって鏡越しに視線を感じる。



「なに」


「んー…」



「…これは的外れかもしれないけど、

それが、リーダーだからとか…

そういう事で考えてるならちょっと

違うんじゃないかと思って。

俺は個人に対して思うことはあるけど、

ちゃかちゃんは全体を見て思うでしょ…

ひとりで全部を見ようとするでしょ…

ちゃかちゃんの顔見てたら…

そういうのを感じてたりするのかなって、

そしたら嫌だなって、俺は一緒に考えたいのに

ごめん、なんか上手くは言えないけど…」



「………」



「やっぱ上手いこと言えてないね俺(笑)」



そんなことない…


「…ううん」



あまりに見透かしてきたから

ちょっとビビっただけ。



「負い目とか感じないでね」



鏡の向こうにしめの笑顔が見える。



しめの言葉が、

誤魔化して触れないようにしていた

深いところに刺さって苦い。



だけど、嘘偽りない

真っ直ぐな言葉とその笑顔を見て

ごめんって思った。



そしたら、張り詰めていた気みたいなものが少し弛んで、

鏡越しに映る笑顔に釣られて

自分の顔が緩んだのを見た。




「急にぶっ込んで来るから怖いんだよね、しめは」



「え、なに?どーゆー意味?」



「そのままの意味」



「…?」



「でも、ありがと」



「ん〜よく分かんないけど、うん」



「てか…そろそろ準備しないと、」



「そうだよ〜、あ、まつくに借りてこないと!」



「昨日メイクポーチに入れてなかった?」




「え、あー、あれ? 本当だ!入ってた(笑)

…逆に取りに来るかな」




入ってたんじゃなくて、

入れてんの見てたけどね(笑)



そんな話をしてたら、足音がして


しめーって呼ぶ松倉の声が聞こえて


俺らは思わず顔を見合わせて笑った。
 
 
 
 
 

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作者名:おもち | 作成日時:2021年10月1日 10時

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