NEWSくんのおはなし。 (ページ12)

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その日から、何も無い日でも一人でいるのが怖くて、シゲと過ごした。

特に何もしなくていい。誰かと一緒にいたかった。

シゲが小説を書いていても、俺は近くにいるだけ。それだけで安心できた。

ストーカーのことを相談しているのもシゲだけだし。

「トイレ借りるね。」

「おー。」

そう言ってトイレに行った。

用を足してトイレから出てシゲのいる書斎へ戻ろうとした。

そこで、ふとひとつの部屋の扉が気になった。

シゲの家には何回も来たことがあるけれど、この部屋だけは何があるのか分からない。

この部屋なんの部屋？と聞いても上手くかわされて教えてくれなかった。

ドアノブを握る。

いや、ダメだよ。いくらシゲだからといって勝手に開けるのは…。

でも、ちょっとだけなら…。

シゲは今書斎にいるし、一瞬だけ…。

ドアノブを握る手に力を込める。

「何してるの？」

びくっ、と体が震える。

「あ、シゲ…。」

ぱっ、とドアノブから手を離す。

シゲはゆっくり俺のところに来て

「だーかーら、この部屋はダメだって。」

と、笑った。

なんだか俺はその笑顔が一瞬怖く感じた。