【ヒロアカ】残り、14日の命【男主】 (ページ21)

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コンコン、とノックすると

はいよ、ていう返事が返ってきた。

｢失礼します。リカバリーガール、と…オールマイト！｣

｢やぁ、左凪少年｣

｢オールマイト、どこか体調でも悪いんですか…？｣

｢いやいや。少しリカバリーガールとお話してただけだよ｣

｢そっか、よかった…｣

｢…それより私は君の方が心配だ。話は聞いたよ｣

｢あー、そうですよね…でも今はまだピンピンしてますよ！｣

だから大丈夫ですよ。

なんて言っても心配なのは変わらないか。

｢…ところでアンタ何しにきたんだい｣

リカバリーガールに言われてハッとした。

そうだそうだ、大事な目的が。

｢それはですね～…はい！サインが欲しいです！｣

｢サイン…？オールマイトのかい？｣

｢いえ、お二人のですよ｣

オールマイト、どこにいるのか分からなかったんだけど保健室にいてくれてラッキーだった。

｢雄英教師みんなのサインを集めてまして！｣

｢ほぉそうかい。あたしのまで欲しいとは珍しいじゃないか…はいどうぞ｣

｢ありがとうございます！｣

そしてスケッチブックをオールマイトに渡した。

…でも、なかなか受け取ってくれない。

｢…？サイン、だめでしたか？｣

｢いや、そうじゃないんだ。ただ…私はもうヒーローじゃないからね｣

｢………｣

前の画風が違った姿とはほど遠く、骸骨みたいなオールマイト。

彼のヒーロー引退の理由はもう…みんな知ってるよね。

｢…それでも…｣

｢…？｣

｢それでも俺の中では、オールマイトはずっとすごいヒーローだから｣

あらゆる凶悪な敵を倒してきたヒーローだ。

笑顔で市民を救ってきたヒーローだ。

……俺たちをずっと守ってくれたヒーローだ。

これは揺るがない事実であり、これから先もみんなの記憶に残るもの。

｢……そうか。それじゃあサインを書こう｣

｢…っありがとうございます…！｣

ページ一面に力強く書かれた文字。

しっかりと胸で抱きしめた。

｢…本当にありがとうございます。それではこれで。まだひとり、書いてもらってない人がいるので｣

｢最後のひとりか…一体誰なんだい？｣

｢きっと、仮眠室にいます！｣

納得したようなオールマイトとリカバリーガールに笑顔で、そして深々とお辞儀をして保健室をでた。

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