【ヒロアカ】残り、14日の命【男主】 (ページ17)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:93,345 hit

. ページ17

.

う、とかわ、とか言いながら何度も挑戦。

次第に慣れてきて少し長めの時間でも飛べるようになってきた。

｢良い感じじゃん。俺才能あるのかも｣

なんて、これは動物の本能みたいなものだけど。

蛹からかえった蝶が誰にも教わらなくても空を飛べるのと同じだ。

この個性のおかげでなんとなく飛び方がわかるだけ。

｢…さすがに疲れてきたなー、ちょっと休憩しよう｣

｢何がちょっと休憩、よ｣

｢えっ｣

後ろから急に声が聞こえてきてびっくりした。

振りかえると、そこにはミッドナイト先生。

｢アナタ運動は控えるように言われてなかった？｣

｢な、なんで知ってるんですか……｣

｢教職員はみんな知ってるわよ、左凪くんのこと。

個性の影響でもうすぐ死んでしまう生徒がいるって相澤くんからお話があったもの｣

｢…そうなんだ…｣

なんだかそんな話をさせて相澤先生に申し訳ないな。

｢…あと何日なのかは聞いてもいいかしら｣

｢えーっとたしか、10日ですね｣

｢…短いわね…たったの10日だなんて｣

｢そうですか？俺は充分だと思ってますよ｣

どうしてそう思うの？と先生は聞いてきた。

｢…いつも通りの生活が好きなんで。死ぬ前だからって何か特別なことをしたいわけじゃなくて。

だからこうして休まずに学校きてるし、ちゃんと授業にもでてる。みんなと過ごす日常がいいんです。

だから俺にとって日常を10日も過ごせることは、とても充分なことなんです｣

あ、もちろんこうしてミッドナイト先生と話してるのも日常の一部ですよ、と一言足す。

｢…いいわね。青春って感じがするわ。
そういうの結構好きよ｣

ばちっとウインクを決められた。

｢あはは、ありがとうございます｣

｢左凪くんは自分の思うように人生を楽しんでるのね｣

｢そういうことです｣

.