【ヒロアカ】残り、14日の命【男主】 (ページ5)

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｢…さぁ、これで一対二。俺たちの方が有利だ｣

残すは爆豪ただ一人。

だがこいつが一番捕まえるのが難しい。

｢はっ、有利だぁ？…んなことねぇよ｣

距離を詰めてくる爆豪から離れる。

でもやっぱり向こうの方が速いわけで。

｢おら、構えろや！！！｣

｢…くそ、｣

また爆破を受け止めるために体を硬くした。

……するとその時だ。

｢…んっ！？｣

いつもと違う感覚が身体を走った。

｢ちょ、タンマタンマ｣

｢…左凪くん…？｣

｢あぁ！？何がタンマだコラ！！｣

『爆豪ちょっと待て。…どうかしたか左凪』

相澤先生の放送でさすがの爆豪も止まる。

しゃがみ込んだ俺は、体の痛みを感じ始めていた。

｢う……これは、まさかの…っ｣

数年に一度。

身体の成長と共に起こる、全身の脱皮。

…俺成長期もう終わったと思ってたんだけどまだ続いてたんだな、嬉しい。

そんな呑気な思考と合わず、痛みは強くなっていく。

｢…いっで…ぇ……｣

自分の意思でする脱皮とは違い、この脱皮は多少の痛みをともなう。

…それでも、待ってくれ。

今回のやつ、今までに感じたことのない程に痛い。

なんだよこれ。

『左凪、体が痛むのか？保健室にいくか？』

｢いや…大丈夫、なんで…すぐに治まります。
ただあの、どのカメラにも映らない死角はありますか｣

ふらりと立ち上がり、幾つかあるカメラの内のひとつ見て問う。

『……右奥の大きな瓦礫の裏…そこなら見えない』

｢…、ありがとうございます｣

さっきよりも痛みが激しくなった体を抑え、先生に言われた場所にたどり着く。

｢…あーごめん葉隠、あっち向いといて｣

｢う、うん…｣

カメラのむこう側にいる女子とこの場にいる葉隠に配慮しながら、服を全部脱いだ。

そしてまたしゃがみ込む。

｢ぐっ…！！｣

耐えて数秒後、背中にピシリと切れ目が入ったのがわかった。

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