52. 声 ページ13
相澤side
…黒。
気付いたら黒で埋め尽くされた空間にいた。
上も下もわからない、でも確かにそこに立っている。
｢……どうして俺はこんな所にいる…？｣
考えていて思い出す。
…敵にやられたんだったな。
ということは、ここは夢の中か、はたまた生死の境目か。
まぁどっちでもいいが。
……この暗闇は段々と俺の心を不安にさせてくる。
｢らしくねぇな…｣
なんだか挫けそうだ、なんて。
そうやって自嘲して笑っている間にも負の感情が心を染めていく。
立っているのも辛くなってきた。
｢早く、ここから出たい｣
しゃがみこもうとしたその時。
____…、
…声が聞こえた気がした。
なんだ、と顔を上げてみる。
___に…、ん
やっぱり、聞こえる。
｢…何て言ってんだ｣
こちらからも声をかけてみる。
そうしたら、さっきよりもはっきりとした言葉が届いた。
___兄ちゃん
兄ちゃん…俺をそんな風に呼ぶ奴は、一人だけ。
血は繋がっていない。
でも家が隣だからってあいつが小さい頃から世話をしてきた。
いつも馬鹿らしい事を言っているが、あの笑顔をみるとつられてこっちも笑いそうになる。
隠れた努力家で、体を鍛える為に毎日筋トレやランニングをしていることも知っていた。
そしてなにより。
…俺なんかをヒーローとして憧れてくれている。
可愛らしい、妹のような存在。
俺はそいつの名前を声に出した。
｢……A｣
｢…消太くん！｣
今度はちゃんとした返事がかえってきた。
呼び方は変わっていたけれど。
…あぁ、俺が変えろって言ったんだったな。
ふっと笑いながら、眩しくなってきた視界を遮るために目を閉じた。
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うるるぺ - え、まじで…終わり？ (2017年12月18日 0時) (
レス) id: 87b46f7d0a (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 朝さん» ありがとうございます！がんばります…！ (2017年8月6日 10時) (レス) id: 0de85ed0ce (このIDを非表示/違反報告)
朝 - 面白いです更新頑張ってください (2017年8月5日 11時) (レス) id: ee115d86c1 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 吸血蝶さん» ありがとうございますー！頑張ります(´ ▽｀) (2017年7月25日 18時) (レス) id: 0de85ed0ce (このIDを非表示/違反報告)
吸血蝶 - 続編おめでとうございます！！これからも頑張って下さい！！ (2017年7月24日 19時) (レス) id: e29e369563 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はる | 作成日時：2017年7月24日 0時
