手を離したら負け ページ44
「よー!まだ生きてるか?」
「あ、やっと来た!遅いよおそ松兄さ…Aちゃん!?」
「え、俺よりAなの?」
「あ!Aちゃんだやっほー!!」
「どうも、こんばんは…。」
「ていうかおそ松兄さん!童貞のくせになんでAちゃんと手繋いでるの!?」
ずるい!僕も繋ぎたい!と叫ぶトド松くん。
既に酔ってるみたいだ。
おそ松くんは童貞は関係ないって言い張る。
「あの、おそ松さん。いつまで繋いでるつもりですかね?」
「えー、いいじゃん。減るもんじゃないし。」
そう言って指を絡めてくる。
所謂恋人つなぎというやつだ。
「おそ松さーん?離してくださーい。他の人の目が痛いですー。」
「いいよ。見せつけてやろうぜ?」
「嫌ですよ…。なんですか、見せつけるって。それに私もおそ松さんも右利きですよね。ほら、このままじゃ食べれないですよ。」
「Aがあーんってしてくれれば食べれるだろ?」
何をさも当然のように言ってるんだこの人は。
君ほんとに童貞?
遊び慣れてる感すごいんだけど。
「離して欲しいならお願いしてよ。」
「さっきからしてるじゃないですか。」
「もっと可愛く!あと敬語やめて!」
「…わかった。」
可愛くとはいったいどうすればいいのか。
皆目見当がつかない。
繋がれた手をじっと見てると少し緊張したような声でどうしたのと聞かれた。
顔を上げればおそ松くんは恥ずかしいような緊張したような表情をしていた。
出会ってまだそんなに時間は経ってないけどよく表情が変わる人だと思ってたけど…。
「へー、こんな顔もするんだ?」
「え…?」
見つめたまま繋がれた手をぎゅっと握ってみる。
真っ赤になってわたわたし始めた。
面白い。
「おそ松くん、真っ赤になってる。」
「そ、そんなことないって!」
「ほんとに?」
そっと頬に触れる。
「顔熱いよ?」
「え、あ、それはAが…」
「私が、なに?」
目をそらされた。
でも耳は赤くなっている。
畳み掛けるならここしかない。
「ねぇ、ちゃんと私を見て?」
顔を私の方に向ける。
見つめ合って数秒。
耐えきれなくなったのか、おそ松くんは勢いよく離れた。
もちろん繋がれた手も解けている。
「あ…。」
「よし!私の勝ち!さ、おでん食べよー。」
「あぁぁぁあ!!嘘だろぉ!?」
「え、何今の。意味わかんないんだけど!?」
真っ赤な顔のまま悔しがるおそ松くん。
そんな彼に困惑する兄弟たち。
わからない君たちのために私が解説してあげよう。
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杏月(プロフ) - 雛音さん» こんばんは。ご報告いただいた箇所訂正しました。ありがとうございますm(_ _)m (2015年12月23日 23時) (レス) id: 9096dccfc2 (このIDを非表示/違反報告)
雛音(プロフ) - こんばんは。呼び方のページでスーパーがスパーになっていますm(*_ _)m (2015年12月23日 20時) (レス) id: d4ce378bd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:杏月 | 作成日時:2015年11月26日 8時