＊ ページ43
「おつかれさまでーす。」
料金は給料から天引きしてもらった。
外に出るとニカッと笑ったおそ松さんが手を振っている。
「おつかれさん！ごめんねー、初対面なのに奢ってもらっちゃって。」
「ほんとですよ。あと奢ったんじゃなくて貸しただけですから。ちゃんと返してくださいよ？」
「わかってるってー。ね、これから飲みに行かない？」
「行きませんよ。財布持ってない人が何言ってんですか。ふざけてます？」
「いやいや、ふざけてなんかないって。今さ、財布チョロ松達が持って出てるみたいなんだよね。だからあいつらと合流しないと今日中に返せないんだよ。」
「なるほど。」
どうしよう。
正直すごく行きたくない。
とにかく眠い。帰って寝たい。
でも今行かなきゃ一生返ってこない気がする。
「分かりました。でも私すぐ帰りますよ？」
「え〜…ちょっとだけ飲もうよ〜。」
「だって明日仕事なんですもん。」
「Aちゃん仕事してんの？マジで!？」
「そんな意外ですか？」
「うん。てかさー、仕事してるならおごってくれても良くない？」
「嫌ですよ！そもそもめっちゃ知り合いみたいに喋ってますけど私たち初対面ですからね？普通初対面の人に奢るとかないでしょ。」
「あ、そっか。いつもAちゃんの話聞いてたから知り合いのつもりだった。」
あっけからんとして言うおそ松さんにイラっとする。
ほんとに忘れてたのかこの人。
「俺、松野家長男松野おそ松でーす!リーダーシップにあふれたアイドル、夢はビックなカリスマレジェンド！よろしく！！」
あ、この人バカだ。
たぶん小学６年生くらいのバカ。
へへっと鼻の下を擦りながら笑う彼に小学生みを感じた。
「自己紹介したしもう他人じゃないだろ？だからさぁ、「奢りませんからね。」ダメかー。」
「ダメに決まってます。」
「いいや。とにかく行こう！あいつらが待ってる。」
手を取られて歩き出す。
え、何。
なんでそんなナチュラルに手繋いでんですか。
恥ずかしいんですけど。
「Aちゃんは？」
「へ？」
「Aちゃんは自己紹介してくんないの？」
「え、おそ松さん知ってるし別に良くないですか？」
「ダメだよー。ほらほら、自己紹介！」
「…竹中Aです。」
「そんだけ？」
「ダメですか？」
「ダメ。あとその敬語もね。」
拒否すればやだやだと駄々をこねるおそ松さん。
この人本当にこの人年上なんだろうか…。
でも少し可愛いと思ってしまった。
あぁ、結局私が折れるんだろうなぁ…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 23人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
杏月(プロフ) - 雛音さん» こんばんは。ご報告いただいた箇所訂正しました。ありがとうございますm(_ _)m (2015年12月23日 23時) (
レス) id: 9096dccfc2 (このIDを非表示/違反報告)
雛音(プロフ) - こんばんは。呼び方のページでスーパーがスパーになっていますm(*_ _)m (2015年12月23日 20時) (レス) id: d4ce378bd7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：杏月 | 作成日時：2015年11月26日 8時
