自由な王女様【キングダム】 (ページ14)

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傷だらけの帰還ページ14

王宮へAを送り出してから一年経った。
文には毎回新しく出来た弟のことが書いてある。
最後にもらった手紙には弟はきっと私が仕えるべき主になると書かれていた。

あの子のことは信じているが昭王以上に仕える王ではないと思っていた。

夜遅く、Aの母親の使者であるという者が瀕死の状態で現れた。

A親子が暗殺者に襲撃を受けたと。
すぐに王宮向かおうとしたが「Aが自分でここに来るから王騎将軍には待っていて欲しい。将軍が助けに出ていけば将軍の領地に行くことがわかってしまう。あの子なら追っ手を完全に撒きここに辿り着く」書かれていた。

もどかしい思いを抱えながら夜が明けるのを待った。
しかしその日はAは現れなかった。

使者が現れて二日後ようやく母親の言う通り二人の護衛と一緒に血だらけのAが現れた。私の姿を見た途端安心したのか涙を流しながらそこで気を失ってしまった。

気を失った血だらけのAを抱きしめながら王騎は静かに騰に命令する。

王騎『騰、この度の首謀者を探りなさい。あとAの母親についても。私の気は長くありませんよ』

騰『はっ！すぐにお調べ致します』

王騎『貴方たち二人もとりあえず休みなさい。よくAを守ってくれましたね。話は休んでから聞きます』

護衛二人の手当を部下達に任せAを抱えて屋敷に戻る。侍女が用意してくれた布団に寝かせ涙の跡が残る頬を撫でる。
早くAが目覚める事を願い騰からの報告を待った。