重い愛は好きですか

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『容姿端麗な御曹司・御令嬢な兄妹はお互いに共通するある特徴があって…』









視聴意欲を高めてもらうための話し方に、



へー！うわ何それ!気になるんだけど！





なんて
相槌を返してくれるメンバーやファンの中







｢……｣






北斗は一時も外すことなく私の方を無言で見つめてくる。








お前も宣伝乗れよってのと、

そんなに見るのやめてくれ、って意味で

何度か目線をバレない程度に送っても







ニコッと嬉しそうにするだけでやめてくれないから







『松村さんは私の同僚役なんですよね』




｢…｣



｢そーなの、ほくと ｣




｢ん？…あ、うん！｣




｢おまえのドラマだろ、話聞け？｣






何だか冷や汗が止まらない。








｢まぁ、こんな大女優さん前に緊張するのは仕方ないけどねぇ｣






｢そーね、何らかの形で毎日見るもんね｣



｢そーそー何らかのね｣
｢CMとかね！｣






そんな私たちの様子を面白そうに楽しんで見てくる(なんならちょっといじってる？)


その他5人に軽く殺意を覚えながら








『｢この兄妹普通じゃない｣是非ご覧下さい！
よろしくお願いしまーす』







何とか平常を装った顔で女優として宣伝をし続けて







｢城沢Aさんでした、本当にご登壇ありがとうございました！

最後まで是非楽しんでください！｣





『こちらこそ貴重なお時間ありがとうございましたー！』





何とか6分ほどの番宣とトークを乗り切って。









｢最後に一言頂こうよ｣




｢図々しいな｣




『大丈夫ですよ、笑』



｢あ、じゃいいですか？｣






『もちろんです！



えー、ファンの皆様、お邪魔しましたー。

凄くノリが良くてお話してて楽しかったです！



大好きですっ』






〈きゃーーーーーーーー！！！！〉




無事に置き土産を残して足ばやにステージを下りる。









｢フー！｣



｢ちょっと皆、ちゃんと聞いた？聞いた？

城沢さんの好きは貴重よ｣





｢ほくとお前何ちょっと熱込めてんだよ｣




｢ガチオタか｣




｢DAHAHA！｣




｢俺もあとで言って皆からきゃーもらお｣









この会話には

心の中で北斗をボコボコに叩きつつ、






反応しないように頑張って。

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