知らないフリ ページ27
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「やっぱそれ似合ってる」
『ありがと、北斗のセンスほんと好き』
初めての外デート記念だと言って
店を出た直後
いつ買ったのか、バレッタをくれた。
私がすぐに付けるとすごく彼は嬉しそうにして
さっきから何度も何度も「似合ってる」と言ってくれる
「楽しかったね、今日」
『うん
忙殺される前にリフレッシュ出来て嬉しかった』
「幸せすぎて今日は何があっても死ねない」
『…笑 もう、分かったって』
近くのホテルで早めのディナー
ワインを口に含みながら流し目で笑いかけてくる北斗は
幸せすぎて死ねないって何回も言ってくる位
いい感じにお酒がまわってるみたい
『北斗ってやっぱり綺麗な顔立ちだよね』
料理を綺麗に切り分けて口に運ぶ様子を見てると
見慣れていてもやっぱりそう口にしてしまう
口に運ぶ時の伏し目がちな感じとか
すっごい綺麗に見えるんだけど。
「なぁに」
照れたのか、手を止めて
さっき買ったお揃いの指輪に触れながら
「今日Aが甘い」
なんて嬉しそうに私を見てくる。
『そう?』
「うん」
『んー、…想像以上に楽しかったからかも』
曖昧な関係、なんてものの楽さに気づき
私が作るようになってから
そんな関係の人と初めてこんなに楽しんだ気がする
…というより、北斗って存在が他の人と違うのかもしれない
北斗に言われたからといえ
彼以外の男との交流はほとんどしてないなんて飽きっぽい私にしては一大事だし。
まぁ、彼1人で十分充実して、楽しませてくれてるからなんだろうけど
「それシンプルに嬉しいんだけど」
『…北斗は特別なんだと思う』
「特別?」
『うん』
「え、それってどんな風に?」
『成り立ちが特殊』
「なりたち…?」
『そう。私たちの』
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れんり。(プロフ) - bbbさん» コメント気が付かなくて、時間が経ってしまっていてすみません。。とても嬉しいです、ありがとうございます! (2021年5月3日 17時) (レス) id: f1c4f19e3d (このIDを非表示/違反報告)
bbb - 凄く面白いです!更新楽しみにしてます! (2021年3月15日 15時) (レス) id: 07513b1c51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れんり。 | 作成日時:2021年2月26日 23時