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『…え？君じゃなくて、わたし？』
｢いや、その、城沢さん有名人だから、
僕なんかの隣いたら、撮られるんじゃ…｣
ジュニアでも標的になる。
そんなことを知っているから、そんな風に言ってしまうと
『あはは、君そんな心配してくれるんだ！
一般人にそんな心配かけてもらったの初めて！』
彼女は弾けたように楽しそうに笑った。
｢あ、いや、｣
…一応、一般人ではないんだけど。
そう言おうか迷って口ごもっていると
『これで熱愛だなんて撮られたら世界腐ってきてるよ』
彼女は、そんな風に笑い飛ばした。
『それに私、体調悪い人
ほっとけるような人間じゃないし』
芸能人だってちゃんと人間として生きてるから。
そう笑って、俺の心配を吹き飛ばした彼女の強さに俺は不覚にもドキッっとして。
『私今時間あるから、君の体調良くなるまで付き合うよ』
なんて、そんなことも言ってくれて、君のせいで顔も赤くなった。
だけど、この赤い顔も体調が悪いせいにして
彼女との時間を稼いでいたら
『ひっっっ』
談笑中にいきなり叫んで
『ぁぁ、マネージャーにレッスンサボってんのバレちゃった！』
焦ったように携帯の画面を見せてきた。
｢え、レッスンサボってたんですか｣
『えへ』
｢…大丈夫なんですかそれ｣
『大丈夫じゃないけど、大丈夫！
休憩貰ったし、期待されてる分の倍で返すから』
大きく伸びをして、ピースを俺に向ける。
…何それ、笑
すっごい無茶苦茶
……って、あれ。
最近全然笑ってなかったのに
今、口角が上がってることに気がついて思わず頬を触る。
おれ、ぜんぜん笑えんじゃん
『ごめんね、出来れば君のこと送って行ってあげたかったんだけど。もう行かなくちゃ』
当の本人はそんな俺の感動なんてつゆ知らず、
めっちゃ食べて
めっちゃ寝たら元気になるから！
なんて言い残して慌ただしく去っていった。
二度と恋はしないなんて、塞ぎ込んでいたのに
この一瞬の出来事で、俺の悴んでいた日々を少しづつ溶かしてくれて
｢北斗っ！｣
｢良かった、休みかと思った！｣
｢なんだ、松村。遅刻だぞ｣
｢遅れてすみません。
遅れてしまった分、必ず巻き返すのでレッスン受けさせてください。お願いします。｣
俺の背中を押してくれた。
この時に俺はもう、君に恋したんだと思う
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れんり。(プロフ) - bbbさん» コメント気が付かなくて、時間が経ってしまっていてすみません。。とても嬉しいです、ありがとうございます！ (2021年5月3日 17時) (
レス) id: f1c4f19e3d (このIDを非表示/違反報告)
bbb - 凄く面白いです！更新楽しみにしてます！ (2021年3月15日 15時) (レス) id: 07513b1c51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れんり。
| 作成日時：2021年2月26日 23時
