その愛、結構です。 ページ4
*
【そういう意味ではないと…わかっておるだろう？】
リンデルさんの口元で掴まれている手が
唇の触れた場所が
燃えるように熱い
「〜ッ」
わかってるだろう…って
言われても
全然わからない…
だって…
リンデルさんには
【一緒に生きていきたいと思う…娘なら…おる】
好きな人がいるのに…
私のことも…その…
愛したいって…
どういうことだろ…
ここは日本じゃないし…
この国の恋愛事情はよくわからない…
一夫多妻制…的な…？
複数の女性を愛してもいい的な…？
いや、リンデルさんに限ってそれは…
「…」
混乱する頭でいろいろと考えていく中
一つの答えに辿り着く
そうだ…
リンデルさんは優しい
こんな私を
心から心配してくれて
放っておけなくて
なんとかしたいって思ってくれて…
【…私を愛してくれる人はもうこの世界のどこにもいないんだって…そう思ったら…もう消えてしまいたくて】
もう愛してくれる人はいないと
死に焦がれる私が
孤独に感じないように…
きっとこの人は
「…」
切ない気持ちがこみ上げてきて
俯きながら
小さな声でリンデルさんに呟く
「…大…丈夫…です…」
掴まれていた手をスルリと引いて
両手で控えめにリンデルさんの胸を押して
距離をとる
涙声になりそうなのを我慢しながら
精一杯言葉を紡いだ
「そこまで…してくださらなくていいです…」
「…？、A…」
リンデルさんには好きな人がいて
他に…心から愛してる人がいるのに
私に愛を…
分けようとしてくれてる
私が孤独に感じないように
放っておけなくて
そう言って…くれてるんだ
「…ッ」
でも…
そんなの嫌だ
そんな中途半端な愛…
一つくれるなら
全部欲しい…
私だけを見てほしい
「もう…嫌になっちゃうな…」
絞り出すような声で呟いて
俯きながら目をぎゅっと瞑る
ここに居れば居るほど
私は我が儘になっていく
人の命を踏み台にして生きる私が
これ以上何かを望んでいいわけない
「ッ…」
勢いよく顔を上げて
私は少し怒った口調で彼に伝えた
「リンデルさんには…好きな人がいるんですよね？それなら私じゃなくて…ちゃんとその人を愛してあげてください」
「……。」
やっと口を開いた私に
リンデルさんは少し驚いたように目を見開くが
私が発したその言葉に
だんだんと眉間に皺が寄っていき
「……は？」
最後はジト目で私を見つめ
呆れたような短い一言を発した
*
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みかん - この2人のその後の話が見てみたいです！ (8月22日 22時) (
レス) id: 0969ff5e81 (このIDを非表示/違反報告)
hubuki(プロフ) - コメント失礼します！「守るために私ができること」に出てくる黒いフードの男の行動が気になります！ゆっくりでいいので続きの予定があればぜひ書いてください！ (2023年3月11日 4時) (レス) id: 471b89b6da (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - （２５０字だと伝えきれなかったので続きです。）本当に話が出来すぎてて物語に引き込まれて【１】から【４】まで３日ほどで読み切っちゃいました。もう…「おぬしが欲しい」を真夜中の３時辺りに読んだのですが、思わず叫んでしまいました。ありがとうございました。 (2021年8月13日 3時) (レス) id: dd9bdc737b (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - 最高でした…！神です！話がすごい良くて泣きました！過去の話が特に感情移入しちゃって涙が止まらなかったです！でも、それ以上に「おぬしが欲しい」がもう泣きまくりで、リンデルさんの破壊力とかすごすぎて【４】はキュンキュンしっぱなしでした！続き待っています！ (2021年8月13日 3時) (レス) id: dd9bdc737b (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - コメント失礼します、唐突ながら申し訳ありません、好きです()マジで神だと思ってます。こんな時期なのでお体に気をつけて、更新応援しています (2021年4月9日 21時) (レス) id: 6eb3bf8c78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よもぎ | 作成日時：2019年6月10日 0時
