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放っておけなくなるだろ ページ2

*




【…嫌か?、わしに、こうされるのは…】



こ、こう、とは…

この状況のことを…


言ってるんだよね…?




「…い、いえ、その…あの…」




声が震える


なんて答えたらいいのかわからず


何も言えずにいると




リンデルさんは困ったように眉を下げ微笑み


溜め息混じりにゆっくりと口を開いた





「己の気持ちなんぞ…一生告げるつもりはなかったんだがのう」




彼は少し体を離し自分の腕の中にいる私を優しい瞳で見つめ


恥ずかしくて顔を上げられない私の前髪をさらりと横に分けるように撫でた




「あんな話を聞いてしまったら…放っておけなくなるじゃろ」


「…?」




先程ドラゴンの背に乗ってリンデルさんに話した過去の話のことだろうか





夕日が輝く海を見つめながら


ドラゴンの背に乗って



私はリンデルさんに


死を望む理由も

誰かを守って死にたい理由も


すべて話した





【一番の理解者である家族を失って…私を愛してくれる人はもうこの世界のどこにもいないんだって…そう思ったら…もう消えてしまいたくて】




1人残されたことに絶望した


今すぐにでも飛び降りて命を断ちたかった夕日に照らされた中学の屋上


あの時の想いを…


誰かを守って死のうと決めたきっかけも



全て伝えた





【きっと、自ら命を絶てば…家族は向こう側ですごく私に怒ると思う…だから、死を選ぶことはできなくて…】



【だから…家族のように…誰かを守って死ねたなら…】




抱きしめられながら

リンデルさんに話した言葉を思い出し


自分に呆れるように私は目を伏せた




【しょうがないなって…仕方ないなって、…後を追った私を…そうすれば家族は少しは許してくれるかなって…】




そんな私をリンデルさんは切なげな瞳で見つめ


ゆっくりと口を開いた




「チセを守ることに執着しておったのも…そういう想いがあったからなのだな…」




誰かを守って死ぬこと

そうすれば少しは…


後を追ったことを


家族は怒らないでいてくれるかもしれない




「…寂しいと泣いて家族を求める…小さな子供が考えるような呆れちゃう方法ですよね」


そう言って苦笑する私に


リンデルさんは慰めるように手の甲の指先で優しく頬を撫でてくれて




「大切なものを全て失い、自分1人だけが世界に取り残され…」




なにかを決意したような瞳で


リンデルさんがゆっくりと口を開く




「もう自分を愛してくれるものはいないのだと絶望し、家族のもとへ逝く方法をおぬしは考えたのだな…」




*

それがおぬしの力になるのなら→←おぬしが欲しい



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みかん - この2人のその後の話が見てみたいです! (8月22日 22時) (レス) id: 0969ff5e81 (このIDを非表示/違反報告)
hubuki(プロフ) - コメント失礼します!「守るために私ができること」に出てくる黒いフードの男の行動が気になります!ゆっくりでいいので続きの予定があればぜひ書いてください! (2023年3月11日 4時) (レス) id: 471b89b6da (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - (250字だと伝えきれなかったので続きです。)本当に話が出来すぎてて物語に引き込まれて【1】から【4】まで3日ほどで読み切っちゃいました。もう…「おぬしが欲しい」を真夜中の3時辺りに読んだのですが、思わず叫んでしまいました。ありがとうございました。 (2021年8月13日 3時) (レス) id: dd9bdc737b (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - 最高でした…!神です!話がすごい良くて泣きました!過去の話が特に感情移入しちゃって涙が止まらなかったです!でも、それ以上に「おぬしが欲しい」がもう泣きまくりで、リンデルさんの破壊力とかすごすぎて【4】はキュンキュンしっぱなしでした!続き待っています! (2021年8月13日 3時) (レス) id: dd9bdc737b (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - コメント失礼します、唐突ながら申し訳ありません、好きです()マジで神だと思ってます。こんな時期なのでお体に気をつけて、更新応援しています (2021年4月9日 21時) (レス) id: 6eb3bf8c78 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:よもぎ | 作成日時:2019年6月10日 0時

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