お城 ページ8
車に揺られること数分。
「ついたで」
トントンさんの声と共に、リムジンのドアが自動で開く。
あ、違う。黒服の人が開けてくれたんだ。速すぎて気づかなかった。
『ありがとうございます』
黒服の人にお礼を言い、車から降りる。すると、目の前には外国のお城みたいな綺麗な建物が建っていた。
『わぁ…綺麗…』
「ふふ、今からここでウェディングドレスを選ぶんよ」
私が感嘆の声を漏らすと、オスマンさんが少し笑いつつそう言った。
え?ここで?それはもう乙女の夢じゃん。
この建物には乙女の、いや、私の夢と希望が全て詰まっている。そうと決まったら行くしかない。
『なにちんたらしてるんですか?早く行きますよ。案内してください』
私がそう言うと、トントンさんが驚いた顔をして、そのあと呆れたような顔になった。
「ようしゃないやっちゃなぁ…」
なぜか、なんとなくだが、今やっとトントンさんと私の間にあった壁が1枚なくなった気がした。
「Aさん、案内したるわ」
『Aでいいですよ』
「じゃあこれからAって呼ぶな」
トントンさんとそんな会話をしながら、建物の中に入る。建物の中もとても綺麗で、外国のお城を見学している気分だ。
『わっ』
私の前を歩いていたトントンさんが急に止まったので、危うくトントンさんの背中に顔面をぶつけるところだった。
何事だと思いトントンさんの前を見ると、ウェディングルームと書かれたドアがある。どうやら、ここが目的の場所らしい。
「チーノ、入るで」
チーノ?誰だそれ?というかそれ人の名前?
そう考えていると、ウェディングルームと書かれたドアの向こうから、はーい、と返事が返ってきた。
あ、人の名前だったんだ。あだ名かな。
トントンさんがドアを開ける。
「はじめまして!俺、千伊野 圭っていいます!チーノって呼んでください!」
水色の髪の人がそう言う。ドアを開けて、いきなり自己紹介をされたから少し驚いた。さては陽キャだな。
「あなたが裏川Aさんですか?」
『はい、そうです』
「敬語じゃなくて大丈夫ですよ!俺1年なんで!」
『あっ、そうなんだ』
てっきり、身長が高いから3年生だと思っていた。
「A、こいつがウェディングドレスただで貸してくれるやつや」
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せい(プロフ) - たぴくんさん» コメントとても嬉しいので、早めに返してしまうんですよねw。需要ありと言っていただけて嬉しいです! (2022年9月12日 18時) (レス) id: 028c1dba0d (このIDを非表示/違反報告)
たぴくん - 返信早っ!更新気長に待ちます!後需要ありありですよ! (2022年9月12日 17時) (レス) @page28 id: f184817549 (このIDを非表示/違反報告)
せい(プロフ) - たぴくんさん» 可愛いなんて初めて言われました…!お言葉とっても嬉しいです!ありがとうございます! (2022年9月12日 17時) (レス) id: 028c1dba0d (このIDを非表示/違反報告)
たぴくん - とってお話面白可愛くて大好きです!勇敢で友達思いな主人公ちゃん可愛いー❤更新楽しみにしてます! (2022年9月12日 17時) (レス) @page27 id: f184817549 (このIDを非表示/違反報告)
せい(プロフ) - ゆず。さん» 需要ありと言っていただけて、とても嬉しいです!その言葉だけで一生頑張れます!ありがとうございます! (2022年9月12日 7時) (レス) id: 028c1dba0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:せい | 作成日時:2022年8月17日 19時