ゾムの家 ページ35
「A、今日は俺の家やんな?」
学校から帰っている途中、ゾムがそう言う。
昨日でロボロの家でのお泊まりは終わり、今日はゾムの家だ。
「ええな、お前らは。Aとお泊まりできて」
シャオロンが不機嫌そうな顔でそう言う。
「そういえば、シャオロンと鬱先生はなんでAのこと泊めれなかったん?」
「俺は親が厳しいから…」
「あんなボロアパートにAちゃん泊めれるわけないやろ」
ロボロの質問に2人が答える。鬱先生はわかるけど、シャオロンの親どんなレベルで厳しいんだ?
「たまに思ってたけど、シャオロンの親ってめっちゃ厳しいよな」
ゾムが私が気になっていたことを言ってくれる。
「スマホも買ってもらえんのやろ?」
あ、だからスマホ持ってなかったんだ。
鬱先生が言った言葉に納得する。
「たしかに厳しいけど、それ以外は普通やから大丈夫やで」
…ん?なんか違和感……あぁ、笑顔か。
シャオロンが、この話をしている間、不自然なくらいずっと笑っている。
まるで聞かれたくないことを隠すような、心を閉ざした笑顔だ。
『シャオロ_______』
「じゃ、俺らここで別れるから!」
ゾムに言いたいことを遮られた。
『ちょ、まっ_____』
「A、こっちやで!」
ゾムが私の手を掴み、全力でダッシュする。
はやいはやいはやい。
あまりの勢いに、何回も転びそうになる。
てかゾムのせいで言いたいこと言えなかったんだけど!
「ここやで!」
全力で走ること数分。
やっとゾムの家についたようだ。
『はぁ、はぁ、はぁ…』
「A、どうしたん?」
どうしたん?じゃないよ!ゾムのせいだよ!
そう言いたいが、疲れすぎて呼吸以外なにもできない。
数分間全力で走らされるとか、どんな拷問だよ。
ゾムが玄関のドアを開ける。
「ただいまー」
『お、おじゃまします…』
シーン
…あれ?おかしいな。いつもだったらここらへんで親御さんが挨拶しに出てきてくれるはずなのに。
『ゾム、お母さんとかお父さんは?』
「え?俺一人暮らしやけど?」
え?
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せい(プロフ) - たぴくんさん» コメントとても嬉しいので、早めに返してしまうんですよねw。需要ありと言っていただけて嬉しいです! (2022年9月12日 18時) (レス) id: 028c1dba0d (このIDを非表示/違反報告)
たぴくん - 返信早っ!更新気長に待ちます!後需要ありありですよ! (2022年9月12日 17時) (レス) @page28 id: f184817549 (このIDを非表示/違反報告)
せい(プロフ) - たぴくんさん» 可愛いなんて初めて言われました…!お言葉とっても嬉しいです!ありがとうございます! (2022年9月12日 17時) (レス) id: 028c1dba0d (このIDを非表示/違反報告)
たぴくん - とってお話面白可愛くて大好きです!勇敢で友達思いな主人公ちゃん可愛いー❤更新楽しみにしてます! (2022年9月12日 17時) (レス) @page27 id: f184817549 (このIDを非表示/違反報告)
せい(プロフ) - ゆず。さん» 需要ありと言っていただけて、とても嬉しいです!その言葉だけで一生頑張れます!ありがとうございます! (2022年9月12日 7時) (レス) id: 028c1dba0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:せい | 作成日時:2022年8月17日 19時