本音 ページ1
「オスマンとトントンから助けてくれと頼まれたのだろう?」
『よくおわかりで』
「それなら、俺のことは心配いらないと言っておいてくれ」
そう言って、グルッペンさんが魔王のようにニイッと口角を上げて微笑む。
やっぱりグルッペンさんに魔王みたいな顔の方がぴったりだ。
『でも、グルッペンさんは嫌じゃないんですか?』
「俺は、権力のある女相手だったら誰でもいい」
『じゃあ、後で絶対後悔しますよww』
グルッペンさんの言葉を聞いた瞬間、思わず笑いが溢れてしまった。さすがにこらえきれない。
「む、なぜそう思うんだ」
『だってw時雨さんの会社大企業ですけど詐欺やってますよwwwあとで絶対逮捕されるwww』
「それ本当か!?だとしたらやばいじゃないか俺!?」
グルッペンさんの焦りようが、更に笑いに拍車をかける。
この人、本当に権力を持ってる女だったら誰でもいいんだなwww
「裏川A!俺のことを絶対に助けてくれ!」
『いいですよww』
そうだ、大切なことを忘れていた。
『言い忘れていたんですけど、グルッペンさん、花園さん退学事件のときに助けてくれてありがとうございました』
「なんだそのネーミングセンス。俺よりひどいぞ」
こいつまじふざけんな。
「あれは生徒会長として当然のことをしたまでだ」
最初の方は私がボコられてるの黙って見てたらしいですけどね。
でも、あのときグルッペンさんが助けてくれなかったら、私の顔面はカッターでずたずたになっていた。
グルッペンさんには本当に感謝している。
『じゃあ、私、スーパーに行くので』
「ああ、また会おう」
スーパーに行くために、グルッペンさんに背を向ける。
その瞬間
「信じているぞ…裏川A…」
そう、グルッペンさんのバリトンボイスが聞こえた。
その声は儚くて、どこか弱気で…いつものグルッペンさんからは到底考えられない声だ。
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せい(プロフ) - たぴくんさん» コメントとても嬉しいので、早めに返してしまうんですよねw。需要ありと言っていただけて嬉しいです! (2022年9月12日 18時) (レス) id: 028c1dba0d (このIDを非表示/違反報告)
たぴくん - 返信早っ!更新気長に待ちます!後需要ありありですよ! (2022年9月12日 17時) (レス) @page28 id: f184817549 (このIDを非表示/違反報告)
せい(プロフ) - たぴくんさん» 可愛いなんて初めて言われました…!お言葉とっても嬉しいです!ありがとうございます! (2022年9月12日 17時) (レス) id: 028c1dba0d (このIDを非表示/違反報告)
たぴくん - とってお話面白可愛くて大好きです!勇敢で友達思いな主人公ちゃん可愛いー❤更新楽しみにしてます! (2022年9月12日 17時) (レス) @page27 id: f184817549 (このIDを非表示/違反報告)
せい(プロフ) - ゆず。さん» 需要ありと言っていただけて、とても嬉しいです!その言葉だけで一生頑張れます!ありがとうございます! (2022年9月12日 7時) (レス) id: 028c1dba0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:せい | 作成日時:2022年8月17日 19時