転校生と主役たち【wrwrd】 (ページ6)

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喋り方ページ6

いろいろあって、もうホームルーム前の時間だ。

美術の授業の後は全て普通の授業で、ときどきシャオロンに助けてもらいながら授業を受けた。

お昼もシャオロンと一緒にお弁当を食べた。シャオロンのお弁当は手作りらしく、とても美味しそうだった。

そして今、そのシャオロンが教室のドアのところで藍色の髪のイケメンと話している。

友達かな…？やっぱり類は友を呼ぶんだな。イケメンの友達はイケメンだ。

2人がなにやら揉み合ったかと思うと、藍色の髪のイケメンがこっちに一直線で向かってきた。

え、なに怖い…

そう思っていると、藍色の髪のイケメンが私の席の前でひざまずき

「こんにちは、美しいお嬢さん。僕は鬱と申します。以後お見知りおきを。よろしかったらこのあと僕とお茶しに行きませんか？」

と言い、片手を握ってきた。

その瞬間、シャオロンがものすごい勢いでこっちに歩いてきて、私と鬱？とか言う人の手を離した。

「なにすんねんシャオちゃん！今ええとこやったやろ！」

「どこがやねん！ドン引きしとるやろ！」

「そんなことないですよね、美しいお嬢さん」

『え、怖…てか鬱が名前…？』

もし鬱が本名だとしたら相当哀れだ。絶対小学校とかでいじめられるやつじゃん…

「これは失礼。鬱はあだ名で、本名は鬱島大と申します。鬱先生とか大先生って呼んでくれてもええで」

『はぁ…裏川Aです』

「君にぴったりの素敵な名前だね」

『鬱先生、その喋り方気持ち悪いですよ』

私がそう言った瞬間、シャオロンが大声で笑い始めた。

しょうがないじゃないか、最後の方の喋り方はまだましだが、最初の方なんて正直言って鳥肌ものだった。

「アハハハハwww鬱先生気持ち悪いってよwww」

「なんでやぁ！今までこの喋り方で何人もの女の子を落としてきたのに！」

『それたぶん顔のおかげですよ』

「ハハハハハハハwwww」

イケメンはだいたい何をしても女の子からの受けがいいからな。今までの子たちは、たぶん鬱先生の顔面に惹かれたのだろう。

私？私もイケメンは好きだけど、気持ち悪い喋り方をする人とはできるだけ関わりたくない。

「げっ！もうこんな時間！また会いにくるからな！Aちゃん！」

鬱先生がそう言い教室を出たのと同時に、先生が教室に入ってきた。

これからホームルームが始まるのだろう。